REALFORCE GX1 Plus レビュー:静電容量無接点×8,000Hz、唯一無二のゲーミングキーボードはどこが変わったのか

東プレのゲーミングキーボード「REALFORCE GX1」が約3年ぶりにモデルチェンジ。2026年2月6日に発売された「REALFORCE GX1 Plus」は、静電容量無接点方式という独自のアイデンティティはそのままに、PBTキーキャップ・着脱式ケーブル・最大8,000Hzポーリングレートと、現行ゲーミングキーボードのトレンドをきっちり押さえてきました。
本記事では実機を使い込んだ上で、前作からの進化点と変わらなかった部分、そして45g / 30gの両荷重の打鍵感の違いまで詳しくレビューしていきます。
先に結論をまとめると、以下の印象です。
- 打鍵感・打鍵音は前作のGX1からほぼ変わらず
- 変化した部分はPBTキーキャップ・着脱式ケーブル・8,000Hz対応など
- 磁気スイッチ全盛の今、静電容量無接点でラピッドトリガーが使える唯一無二の存在であることは変わらず
REALFORCE GX1 Plusとは
REALFORCE GX1 Plusは、東プレのゲーミングライン「GXシリーズ」の最新モデル。2023年3月発売の初代GX1のマイナーチェンジ版という位置づけで、日本語配列と英語配列、それぞれにキー荷重45g / 30gの計4モデルがラインナップされています。
発売時のカラーはダークグレーのみでしたが、2026年4月17日には初代でも人気だったスーパーホワイトが追加され、現在は2色展開となっています。価格は税込35,200円。初代の33,000円から2,200円のアップとなりました。
スペック
項目 | REALFORCE GX1 Plus |
|---|---|
発売日 | 2026年2月6日(スーパーホワイトは4月17日) |
価格 | 35,200円(税込) |
型番 | X1PC11 / X1PC13(日本語 45g / 30g) X1PD11 / X1PD13(英語 45g / 30g) |
フォームファクター | テンキーレス |
キー配列 | 日本語91キー / 英語87キー |
キースイッチ | 東プレスイッチ(静電容量無接点方式・静音) |
スイッチ寿命 | 1億回以上 |
キー荷重 | ALL 45g または ALL 30g |
キーストローク | 4.0mm |
キー構造 | ステップスカルプチャー |
キーキャップ | PBT・2色成形(LED透過) |
アクチュエーションポイント | 0.1-3.0mm(0.1mm刻み・30段階) |
ラピッドトリガー | Dynamic modeとして対応(0.1mm単位) |
ポーリングレート | 1,000 / 4,000 / 8,000Hz |
Nキーロールオーバー | フルNキーロールオーバー・全キー同時押し対応 |
Kill Switch | 対応(最大8ペア) |
バックライト | 約1,677万色・プリセット72種 |
サイズ | 142.1 × 365 × 38.2mm |
重量 | 1.2kg |
ケーブル | 着脱式 USB Type A to C(1.8m) |
前作GX1からの変更点まとめ
まずは前作からの変更点を整理します。基本的な骨格は共通ですが、細かい部分が着実にアップデートされています。
項目 | GX1(2023) | GX1 Plus(2026) |
|---|---|---|
キーキャップ素材 | ABS | PBT(2色成形) |
ケーブル | 直出し(1.6m)・背面中央 | 着脱式 Type A to C(1.8m)・左端 |
ポーリングレート | 1,000Hz | 最大8,000Hz |
Kill Switch | 2ペアまで | 8ペアまで |
カラー | ブラック / スーパーホワイト | ダークグレー / スーパーホワイト |
重量 | 1.3kg | 1.2kg |
価格 | 33,000円 | 35,200円 |
個人的に地味ながら嬉しかったのがケーブル差し込み口の位置変更。初代は背面中央からの直出しでしたが、GX1 Plusでは左端のType-Cポートに変わり、デスク上での取り回しがしやすくなっています。着脱式になったことで、好みのケーブルへの交換も可能になりました。
パッケージ・同梱品

- キーボード本体
- USB Type A to Cケーブル
- 取扱説明書(保証書)

外観・質感:コンクリート調のダークグレーとPBTの手触り
天板プレート

ダークグレーモデルの天板プレートは、名前の通り黒すぎないコンクリートのような見た目。スチールフレームにパウダーコーティングを施した仕上げで、表面には程よいザラつきがあり、ツルッとしつつもザラッとした独特の手触りになっています。剛性感は初代譲りで、たわみとは無縁です。

なお、初代のブラックから淡めのダークグレーに変わった色味については、正直好みが分かれるところだと思います。より引き締まった見た目が欲しい人は、後発のスーパーホワイトも含めて実物のトーンを確認してから選ぶのがおすすめです。

キーキャップ:PBT化とCherry MX互換
今作最大の質感アップポイントがキーキャップです。初代GX1のABS樹脂はツルツル・サラサラとした表面でしたが、PBT化によってテクスチャ感が増し、しっとりとした微細なザラつきのある質感に変わりました。

激しいキー操作中も指がズレにくいため、操作精度が上がったような感触が得られました。PBTは長期使用でのテカリ(摩耗による光沢化)にも強い素材なので、ABS特有の使い込むと部分的にテカりが発生する問題も解消されるはずです。

キー印字は背面のRGBを透過する2色成形(ダブルショット)。フォント自体はほぼ同じですが、文字サイズが若干大きくなっており、視認性が向上しています。



また、GXシリーズはキーキャップの取り外しが可能で、一般的なCherry MX互換キーキャップと互換性があります。静電容量無接点方式でありながら市販のキーキャップに自由に交換できるのは、R4シリーズなどゲーミング用途ではないREALFORCEとの決定的な違いと言えるでしょう。好きなキーキャップでカスタマイズできるのは、キーボード好きにとって非常に魅力的なポイントです。
底面・細部の作り

底面は、初代で底面下部にあったロゴがGX1 Plusでは中央に移動しています。チルトスタンドはデフォルトと立てた状態の2段階、滑り止めラバーの位置・構造も同じです。キーの周囲に枠がないフローティングデザインのため、ホコリの掃除がしやすいのも特徴です。

重量はスペック上では0.1kg軽くなって1.2kgですが、体感はほぼ変わらず、しっかりとした重量感です。激しい操作でも本体がズレる心配は皆無です。
打鍵感・打鍵音:前作から変更点はなし
肝心の打鍵感と打鍵音ですが、前作から大きな違いは感じられません。スイッチ自体が同じ静電容量無接点方式なので、当然といえば当然です。

キーキャップがPBTになったことによる細かな差はあるかと思い、実際にキーキャップを新旧で入れ替えてタイピング比較もしてみましたが、キャップの厚みに違いはあれど、打鍵感そのものはほぼ変わらない印象です。「キーキャップの違いによる差がわずかにあるかな」という程度でした。

キーストロークは4.0mmと最近のゲーミングキーボードとしては深めで、しっかりとした押し応えのある打鍵感。静電容量無接点方式独特の心地よいタクタイル感を感じられます。磁気スイッチのリニアな感触とは完全に別物で、ここがGXシリーズを選ぶ最大の理由になる部分です。静音スイッチのため打鍵音も控えめで、静音性に優れたキーボードが欲しい方にもおすすめです。
45gと30g、どっちを選ぶべきか
GX1 Plusには荷重45gと30gの2種類があり、フィーリングはかなり異なります。
45gはコトコト・スコスコ感が強く、タクタイル感もしっかりめ。ストローク上部に静電容量無接点方式特有の押し込まれる際のタクタイル感があり、そこを越えるとストンと落ちる感覚で、押し込んだときの独特の心地よさがあります。強めの打鍵感を重視するならこちらがおすすめです。

30gはかなり軽めの押し心地で、45gほどのタクタイル感はなく、どちらかというとリニアに近い印象。ストローク中の荷重変化が少なく、スーッと沈んでいきます。より軽快にテンポよく打鍵できるのは30gの方で、指への負荷を減らしたい人や長時間のタイピングに向いています。ただし軽い分、誤入力は増えやすいので、確実な入力を優先したい人には45gが無難です。
打鍵音の違いは比較動画も撮影したので、ぜひ聴き比べてみてください。筆者個人としては、甲乙つけがたいもののやはり30gの方がサクサクと打てるため、好みだと感じます。
ゲーミング性能:ラピッドトリガー・APC・Kill Switch
Dynamic mode(ラピッドトリガー)とAPC
前作同様、GX1 Plusもラピッドトリガー機能に対応しています。設定はソフトウェア「REALFORCE CONNECT」のAPC(アクチュエーションポイントチェンジャー)の項目で「Dynamic mode」をオンにする方式です。

アクチュエーションポイントは0.1-3.0mmの範囲を0.1mm刻みの30段階で設定でき、Dynamic mode時のオン位置・オフ位置(リリースポイント)はいずれも0.1-2.5mmの範囲で0.1mm単位の調整が可能。最短0.1mmまで詰められるので、VALORANTのストッピングのようなシビアな操作にも十分対応できます。

Kill Switch(SOCD)は8ペアに拡張
特定の2キー(例えばAとD)を同時押しした際の挙動を制御する「Kill Switch」機能も搭載。いわゆるSOCDクリーナーに相当する機能で、挙動は次の3パターンから選べます。
- 後から入力されたキーを優先する(後押し優先)
- どちらの入力も無効化してニュートラルにする
- 先に押されたキーを優先する(先押し優先)
初代GX1では2ペアまでしか設定できませんでしたが、GX1 Plusでは最大8ペアまで組み合わせを登録可能になりました。左右移動以外のキーにも割り当てたい人には嬉しい拡張です。
ポーリングレートは最大8,000Hz
ポーリングレートは1,000/4,000/8,000Hzから選択可能。前作は1,000Hz止まりだったので、今作で最も明確に向上したスペックと言えます。フルNキーロールオーバー・全キー同時押しにも引き続き対応しています。
そのほかREALFORCE CONNECTでは、キーマップの入れ替えやマクロ設定、ヒートマップ表示、オンボードメモリへのプロファイル保存などが利用できます。
イルミネーション
LEDバックライトは約1,677万色の発光に対応しており、プリセットの発光パターンは72種類。キー個別に発光をコントロールするカスタムイルミネーションも可能です。

コラボモデルも積極展開
GX1 Plusはコラボモデルも多数展開されており、2026年3月27日には「機動戦士Zガンダム」「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」とのコラボモデルが、4月10日にはVTuber「猫麦とろろ」氏とのコラボモデルが数量限定で発売されました。

ガンダムコラボは各機体をイメージしたカラーリングとキーキャップデザインが施されており、特製アルミリストレストが付属。猫麦とろろモデルは本人監修のオリジナルデザインで、アクリルスタンドが付属します。初代GX1でも初音ミク、ウマ娘、ホロライブなど多彩なコラボを展開してきたシリーズだけに、今後のバリエーションにも期待できます。
- Zガンダムモデル / νガンダムモデル / サザビーモデル:各54,780円
- 百式モデル:65,780円 ※ベース部分が光沢仕上げの特別仕様
- 猫麦とろろモデル:47,300円
まとめ:マイナーアップデートだが順当な進化
性能面の明確な向上はポーリングレートが主で、打鍵感自体は大きく変わっていないため、マイナーアップデート版という印象は否めません。ただ、キーキャップやケーブルなど、初代で気になっていた部分を的確に潰してきた順当な進化でもあります。

長年積み上げてきた静電容量無接点方式のスイッチは国内外にファンが多く、その上でラピッドトリガーやAPCまで使えるキーボードは現状このGXシリーズだけです。磁気スイッチ全盛の今だからこそ、このコトコト・スコスコといった独特の打鍵感が際立っていると感じます。ゲーミングキーボードでありながら、その打鍵感とタクタイルの心地よさから、ゲーム用途だけでなく仕事用としても文句なしにおすすめできる一台です。
初代GX1ユーザーで打鍵感に不満がないなら急いで買い替える必要はありませんが、ケーブル直出しが気になっていた方や8,000Hz対応でより低遅延性を求める方はもちろん、初めてGX1シリーズを購入される方にもおすすめできる後継機となっていると感じます。
良い点
- 静電容量無接点方式でラピッドトリガーが使える唯一無二の存在
- PBT化で手触り・操作時のグリップ感・耐摩耗性が向上
- ポーリングレート最大8,000Hz対応
- 着脱式ケーブル化+差し込み口が左端になり取り回しが向上
- チャタリングと無縁の静電容量無接点+堅牢な筐体で長く使える
- Cherry MX互換キーキャップでカスタマイズ可能
気になる点
- 打鍵感・打鍵音は前作からほぼ変わらず
- スペースキーなどを押し込んだ際のわずかな金属音は前作から変わらず
- 価格が2,200円アップ
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