MCHOSE MIX87 レビュー:13,980円で8,000Hz対応、価格破壊のラピッドトリガーキーボード

今回レビューするのは、MCHOSEのラピッドトリガー対応ゲーミングキーボード「MIX87」。8,000Hzポーリングレートに対応した磁気スイッチ搭載のテンキーレスキーボードで、国内では代理店のRabbit0-Storeが税込13,980円で販売しています。
ラピッドトリガー対応のTKLといえば、これまで3万円超のハイエンド機が中心だったカテゴリ。そこに1万円台前半で切り込んできた本機を、実機を使い込んだうえで、性能・打鍵感・ビルドクオリティまで詳しくレビューしていきます。
先に結論をまとめると、以下の印象です。
- 13,980円で8,000Hzポーリング+ラピッドトリガーという、価格破壊的なコストパフォーマンス
- 5層の吸音構造により、打鍵音・打鍵感も価格帯を超えた仕上がり
- 一方で、アクチュエーションの検知精度や高級感には価格なりの面もある
MCHOSE MIX87とは
MCHOSEは、磁気スイッチキーボードを中心に手がける中国のキーボードメーカー。MIX87はその名の通り87キーのテンキーレス(TKL)レイアウトを採用したラピッドトリガーキーボードで、配列はUSのみ。カラーはブラック、ホワイト、ピンクの3種類が展開されています。
国内ではRabbit0-Storeが正規に取り扱っており、価格は税込13,980円。ラピッドトリガー対応TKLとしては最安クラスの価格設定です。
スペック
項目 | MCHOSE MIX87 |
|---|---|
価格 | 13,980円 |
カラー | ブラック / ホワイト / ピンク |
キー配列 | 英語(US)/ 87キー |
フォームファクター | テンキーレス |
キースイッチ | GATERON × MCHOSE Apollo Magnetic |
ホットスワップ | 対応 |
キーキャップ | PBT / ダブルショット |
LED方向 | 北向き(チェリー式) |
アクチュエーションポイント | 0.001-3.4mm |
ラピッドトリガー | 最短0.001mm |
ポーリングレート | 最大8,000Hz |
スキャンレート | 最大256,000Hz |
遅延 | 0.08ms |
ゲーム機能 | DKS / MT / TGL / RS / SOCD |
ケース | プラスチック+アルミトッププレート |
バックライト | RGB |
接続 | 有線(USB・差込口は左端) |
重量 | 992 |
パッケージ・同梱品


外観・デザイン:シンプルで馴染みやすいTKL
ボトムケースはプラスチック製で、トッププレートにはアルミニウムプレートを採用したフローティングデザイン。キーボード上部のノブやメディアキーが付いている部分はプラスチックケースになっています。全体的にシンプルで、誰にでも馴染みやすいデザインです。

裏面もシンプルなデザインで、中央にはロゴシールが貼られています。四隅にはしっかりとしたラバーの滑り止めが配置されており、チルトスタンドは畳んだ状態・小さなスタンド・大きなスタンドの3段階で高さを調整できます。本体は持ってみると結構な重さと剛性感があり、操作中の安定感も良好です。


左上には大きめのロゴが入っており、ここはLEDで光る仕様。USBの差し込み口は左端に配置されています。
キーキャップ:PBTダブルショットでLED透過に対応

キーキャップはPBTのダブルショットで、LEDを透過するタイプ。ややテクスチャを感じる程度のマットな肌触りで、凹凸は少なめのサラサラとした触り心地です。なお、LEDは北向きに配置されています。

打鍵感・打鍵音:5層吸音による価格帯離れした仕上がり
キースイッチにはGateronとMCHOSE共同開発の「Apollo磁気スイッチ」を採用。イエローのボックスステムが特徴的で、軸ブレが少なく安定しています。初期荷重は35gfと軽めの押し心地で、総ストロークも3.1mmと浅めのキースイッチとなっています。

キースイッチはルブ済みで、押し心地は非常にスムーズです。打鍵音はカタカタと大きめの音が鳴り、静音性はありません。ガスケットマウントではないため底打ち時に沈み込む感覚はなく、硬質ではありますが、嫌な硬さではありません。パチパチとした明瞭で心地よいクリーンな打鍵感を楽しめます。この価格帯の打鍵感としては優秀な部類だと思います。

そして本機の見どころが内部の吸音構造です。シリコンサンドイッチパッド、ファイバースイッチパッド、PETフィルム、ボトムコットン、シリコンガスケットという5層構造の吸音材が入っており、この価格帯でここまで充実した吸音仕様を採用しているのは驚きです。

さすがにもう少し上の価格帯のキーボードには打鍵感で劣りますが、価格を考えると非常にコスパの良い製品だと感じます。
ゲーミング性能:8,000Hz+256,000Hzスキャンで0.08msの低遅延
性能面のスペックは、価格を忘れるほどの充実ぶりです。ポーリングレートは最大8,000Hzに対応し、スキャンレートは最大256,000Hz。これらにより、わずか0.08msという超低遅延を実現しています。


さらにFPSで多用するWASDキーはADCチップに直接接続されており、移動キーの入力遅延を極限まで抑える工夫が施されています。アクチュエーションポイントとラピッドトリガーは、初期状態では0.02mmから、「バーサークモード2.0」という機能を有効にすると、いずれも最短0.001mmから設定可能となります。
ただし、0.001mmに設定しても、特にアクチュエーションポイントに関しては、設定数値と実際の動作にやや乖離があるように感じました。設定数値以上に押し込まないと反応しないことがあり、デッドゾーンは大きめの印象です。このあたりは、より上の価格帯の製品と比べると価格なりの性能だと感じます。0.1mm単位の緻密な入力精度を求める人は、上位価格帯の製品も含めて検討することをおすすめします。
自動キャリブレーションと高度なキー設定
キャリブレーション機能として「Adaptive Dynamic Calibration 2.0」を搭載。キーが押されるたびに自動的に校正が行われるため、磁気スイッチキーボードにありがちな手動キャリブレーションの手間がありません。

高度なキー設定も一通り揃っており、DKS・MT(ホールドタップ)・TGL(トグル)といった多段設定に加え、RSやSOCDといったゲーム向けの機能も網羅。設定は日本語対応のWebドライバーから行えるため、専用ソフトのインストールも不要です。
機能・操作性:この価格でボリュームノブ搭載
この価格帯でありながら、本体上部にはボリュームノブを搭載。音量調整のほか、押し込むことでミュートの切り替えも可能です。

さらに「Smart Multi-Function Key」により、デスクトップへの復帰、オンボードプロファイルの切り替え、バックライト輝度の調整などを手元で行えます。安価なモデルでは削られがちな操作系がきちんと残っているのは嬉しいところです。

まとめ:コスパ重視なら現状屈指の選択肢
13,980円という価格で、8,000Hzポーリング・0.08msの低遅延・自動キャリブレーション・充実したキー設定機能まで揃えており、率直に言って価格破壊的な一台です。メディアボタン・ボリュームノブなども搭載されており、5層吸音による打鍵音・打鍵感もこの価格帯にしては非常に優れています。

高級感については、アルミトップフレーム以外はプラスチックケースということもあり、価格帯相応といったところ。前述の通り、アクチュエーションの検知精度にも価格なりの面があります。とはいえ安っぽさを感じる仕上がりではなく、日常的に使う上で不満のないクオリティにまとまっています。
性能・機能・打鍵感のバランスをこの価格で実現している製品はそう多くありません。コスパ重視で性能の高いラピッドトリガーキーボードが欲しい人には、非常におすすめできる一台です。
良い点
- 13,980円で8,000Hzポーリング+0.08msの低遅延という価格破壊的なスペック
- 5層の吸音構造による、価格帯を超えた打鍵音の仕上がり
- パチパチとした明瞭でクリーンな打鍵感と、軸ブレの少ないルブ済みスイッチ
- 自動キャリブレーション搭載で手動調整が不要
- ボリュームノブやSmart Multi-Function Keyなど操作系の装備が充実
気になる点
- アクチュエーションポイントの設定値と実動作に乖離があり、デッドゾーンが大きめ
- 打鍵音は大きめで、静音性はない
- 高級感は価格帯相応(アルミトップ以外はプラスチック)
