GravaStar Mercury V60 Pro レビュー:SF的デザインとクリーミーな打鍵感を両立した8,000Hz対応60%キーボード

今回レビューするのは、GravaStarのラピッドトリガー対応ゲーミングキーボード「Mercury V60 Pro」。8,000Hzポーリングレートに対応した、60%サイズの磁気スイッチキーボードです。
デザイン性の強いゲーミングデバイスが数多くある中でも、一際個性的な世界観を持つGravaStar。実機を使い込んだ上で、デザイン・打鍵感・性能まで詳しくレビューしていきます。
先に結論をまとめると、以下の印象です。
- 近未来SF的な攻めたデザインを、チープにならず洗練されたビルドで実現したデザイン性の高さ
- バターのようなクリーミーで上品な打鍵感・打鍵音。打鍵の質は価格帯でも屈指
- 8,000Hzポーリング+最短0.005mmのラピッドトリガーと、性能面も抜かりなし
GravaStar Mercury V60 Proとは
GravaStarは、2018年に設立された中国発のデバイスブランド。ロボット型のBluetoothスピーカー「Mars」シリーズや、マグネシウム合金フレームのゲーミングマウス「Mercury」シリーズなどで知られ、近未来の宇宙やSFを連想させるメカニカルな世界観をすべてのプロダクトで貫いているのが特徴です。近年はマウスやキーボードといったゲーミングデバイスの開発にも力を入れています。
Mercury V60 Proは、そのGravaStarが手がける60%サイズのラピッドトリガーキーボードで、2025年11月に発売されました。英語配列のベーシック版がAmazonで税込31,980円、日本語配列は「デラックス版・デュアルキーキャップギフトセット」として税込34,980円で販売されています。今回レビューするのはシルバーモデルです。
スペック
項目 | GravaStar Mercury V60 Pro |
|---|---|
発売日 | 2025年11月 |
価格 | 31,980円(英語配列)/ 34,980円(日本語配列デラックス版) |
キー配列 | 英語(US)/ 日本語(デラックス版) |
フォームファクター | 60% |
キースイッチ | GravaStar UFO Magnetic Gaming Switch |
スイッチ寿命 | 1億回以上 |
ホットスワップ | 対応 |
キーキャップ | PC半透明(天面フロスト加工) |
アクチュエーションポイント | 0.005-3.5mm |
ラピッドトリガー | 0.005-3.5mm |
デッドゾーン | 調整可能 |
ポーリングレート | 最大8,000Hz |
スキャンレート | 最大256,000Hz |
遅延 | 0.125ms |
ゲーム機能 | SOCD / DKS / MT / TGL / Mod-Tap / マクロ など |
プロファイル | 4種(本体の専用スイッチで切り替え・色分け表示) |
ケース | アルミニウムフレーム+樹脂ベース |
バックライト | RGB(バックライト16種+サイドライト6種・デュアルゾーン制御) |
接続 | 有線(USB Type-C・差込口は左端) |
サイズ | 325 × 125.8 × 41mm |
重量 | 約860g |
ソフトウェア | Webドライバー |
パッケージ・同梱品

同梱品は以下の通りです。
- キーボード本体
- USB Type-Cケーブル
- キーキャップ&スイッチプーラー
- 予備スイッチ
- クリーニングブラシ・クロス
- ユーザーマニュアル・保証書

外観・デザイン:GravaStarの世界観を体現した先進的フォルム

ケースは非常に先進的なデザインで、各所、特にサイド部分には隙間が大胆に取り入れられています。さらにサイドと前面にはLEDバーが備わっており、ライティングが非常に美しい仕上がりです。質感はさらっとしたマットな加工で、全体的に奇抜なデザインながら丸みを帯びた形状のため、肌当たりも優しい仕上がりとなっています。

キーボードの左上には「GAMING」と書かれたロゴインジケーターが備わっており、背面右側にあるプロファイル切り替えスイッチを押すと色が変わる仕様。このインジケーターで現在のプロファイル設定を確認できます。USBの差し込み口は左端に配置されています。


なお、60%というサイズの都合上、右のShiftキーは他のアルファベットキーと同じ1Uサイズに小型化されています。右Shiftを多用する人は、購入前に検討しておきたいポイントです。
かなり個性的で攻めているデザインは、下手をするとチープさが出てしまいがちなところですが、本機は非常に洗練されたデザインに仕上げられています。なかなか他のメーカーでは真似できない、デザイン性の高さが際立つ一台となっています。
キーキャップ:フロスト加工のPC半透明キーキャップ

キーキャップはABS樹脂ではなく、ポリカーボネートの半透明キーキャップを採用。側面は透明ですが、天面にはフロスト加工が施されており、光が上品に拡散します。このフロスト加工によって肌触りにも適度なグリップ感が生まれており、細部までこだわりが感じられるポイントです。キーキャップのデザイン自体も非常に美しく仕上がっています。

底面・細部の作り
チルトスタンドはありませんが、四隅に滑り止めラバーが付いておりグリップ力は十分。底面のプレートには内部のポジショニングプレートと同様にヘアライン加工が施され、さらに凹凸のある加工が美しい見た目を作っています。普段は見えない底面まで、デザインへのこだわりが詰まっています。


打鍵感・打鍵音:バターのようなクリーミーな打鍵
キースイッチには、GravaStar独自の「UFO Magnetic Gaming Switch」を採用。従来のキースイッチとは一線を画す、まさにGravaStarを体現したようなUFO型の個性的な外観が特徴です。荷重はイニシャル40g / ボトムアウト50gとスタンダードで、総ストロークは3.5mmと少し浅めのリニアタイプ。ステムにはPOM樹脂、トップハウジングにはポリカーボネート、ボトムハウジングにはPA66が使われています。

円柱ステムの採用により軸ブレが少なく、押し心地は非常にまろやか。底打ち感も硬すぎず、まるでバターのようなクリーミーな打鍵感になっており、キースイッチ単体としてもレビュアーからの評価が非常に高いスイッチです。


内部は以下のパーツで構成された、非常に贅沢な多層構造になっています。
- アルミ合金ヘアライン仕上げポジショニングプレート
- PORONクイックサンドイッチフォーム
- IXPEスイッチパッド
- PET吸音パッド
- PCB基板
- PORONボトムフォーム
- シリコンボトムパッド
実際に打鍵してみると、クリーミーでコトコトとした上品な打鍵音を味わえます。充実したフォームによって、音がしっかりと内部で吸収されているような感覚があります。スタビライザーの金属ノイズもほとんどなく、非常に高品質な作りです。何と言っても、この打鍵感が本機の一番の魅力だと感じます。
ゲーミング性能:8,000Hz+最短0.005mmのラピッドトリガー
性能面も非常に優れています。ポーリングレートは最大8,000Hz、スキャンレートは最大256,000Hzに対応し、キーボード遅延は0.125msと非常に低遅延。実機でのアクチュエーションポイントとラピッドトリガーの仕様は以下の通りです。
- アクチュエーションポイント:最短0.005mmから最大3.5mmまで調整可能
- ラピッドトリガー:最短0.005mmから最大3.5mmまで調整可能
- デッドゾーン:調整可能
アクチュエーションポイントを0.005mmに設定すると、キーキャップに指を軽く乗せるだけで反応するほど高感度ですが、それでも誤作動などはありませんでした。ラピッドトリガーも非常にキビキビとした動作で、設定した数値通りに動いてくれます。
ゲーミング機能も豊富で、SOCDやDKS、MT、TGL、Mod-Tapといった高度なキー設定に加え、キーリマップやマクロ機能も使用可能。設定はWebベースのドライバーに対応しており、ソフトのインストール不要でブラウザから行えるのは嬉しいポイントです。
4つのプロファイルを本体スイッチで切り替え
背面右側にある専用スイッチを押すことで、4種類のプロファイルを瞬時に切り替えられます。ゲーム用、仕事用、作業用など、各種モードを簡単に使い分けられる仕様です。プロファイルに応じたライティングのカスタマイズも可能で、初期設定ではホワイト、レッド、イエロー、ブルーが割り当てられており、左上のインジケーターの色で現在のモードを視覚的に判別できます。
ソフトウェア:Webドライバーに対応
各種設定は専用のWebドライバーから行います。ブラウザベースのためソフトのインストールは不要で、日本語にも対応。設定項目は大きく5つに分かれています。

- オンボード設定:4種類のオンボードプロファイルを管理。VALORANTやCS:GOなどのプリセットも用意されています
- パフォーマンス設定:アクチュエーションポイント、ラピッドトリガー、ストロークテスト
- 拡張機能設定:デッドゾーンの各種設定、ポーリングレートの切り替え、キーボードキャリブレーション
- ライティング設定:RGBバックライト(16種類)、サイドライト、インジケーターライト
- その他の設定:キーリマップ、SOCD / DKS / MT / TGL / MPT、マクロ




UIは全体的にわかりやすく、使い勝手は良好です。デザインも宇宙を意識したパープル基調で、グラフィカルなUIに仕上がっています。ハードだけでなくソフトウェアまでGravaStarの世界観が一貫しているのは、細部までこだわりを感じるポイントです。
ライティング:デュアルゾーンRGBの美しい発光
ライティングはキーエリアとサイドLEDのデュアルゾーン制御に対応。バックライトは16種類、サイドライト(側面ライト)は6種類のエフェクトパターンから選択でき、明るさや速度、カラー設定も好みに合わせて細かくカスタマイズ可能です。半透明キーキャップとサイド・前面のLEDバーが組み合わさった光り方は圧巻で、デザインとライティングの一体感は本機ならでは。


価格とバリエーション:日本語配列のギフト版も展開
価格は英語配列のベーシック版がAmazonで税込31,980円。時折セールやクーポンも配布されており、3,000円オフ程度で購入できるタイミングもあります。
さらに日本語配列版も「デラックス版・デュアルキーキャップギフトセット」として税込34,980円で用意されています。こちらは2種類のキーキャップが付属するセットで、LEDを透過しないメタリック調のキーキャップも同梱。日本語配列の選択肢が少ない磁気スイッチ60%キーボードにおいて、JIS配列が選べるのは非常に嬉しいポイントです。
まとめ:デザインで選んでも、打鍵感で選んでも満足できる一台
近未来SF的な攻めたデザインをチープに見せず、洗練されたビルドクオリティで成立させている点が、まず本機最大の個性です。ライティングとの一体感も含め、このデザイン性は他のメーカーではなかなか真似できません。

それでいて中身も伴っています。バターのようなクリーミーな打鍵感と上品なコトコト音、金属ノイズのほとんどないスタビライザーと、打鍵の質は価格帯でも屈指。8,000Hzポーリングや最短0.005mmのラピッドトリガーなど、ゲーミング性能にも死角がありません。
個性の強いデザインは好みが分かれる可能性はありますが、見た目に惹かれた人はもちろん、打鍵感重視で選ぶ人にも自信を持っておすすめできる一台です。
良い点
- SF的な世界観を洗練されたビルドで実現した、唯一無二のデザイン性
- バターのようなクリーミーで上品な打鍵感・打鍵音
- 7層の贅沢な内部構造と、金属ノイズのほとんどないスタビライザー
- 8,000Hzポーリング+最短0.005mmのラピッドトリガーという高い性能
- サイド・前面LEDバーと半透明キーキャップによる美しいライティング
- 本体スイッチで4つのプロファイルを色分け切り替えできる利便性
- 日本語配列が用意されている
気になる点
- 右Shiftキーが1Uサイズと小さく、多用する人は注意が必要
- チルトスタンドがなく、角度調整ができない
- 31,980円からと、価格は決して安くはない
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