本稿では、Zaopinから発売されているワイヤレスゲーミングマウス「Zaopin ZPW」をレビューします。
製品スペック
製品名 | Zaopin ZPW |
カラー | ブルー / ブラック / ホワイトブラック / ホワイトオレンジ |
形状 | 左右非対称 |
接続方式 | 有線 USB / 2.4GHz / Bluetooth |
センサー | PixArt PAW3395 / PAW3950(MAX) |
DPI | 最大26000 / 最大30000(MAX) |
ポーリングレート | 最大8000Hz |
メインボタン | Omron 光学式スイッチ |
スクロールホイール | TTC Golden |
バッテリー | 300mAh |
サイズ | 121.9×65×41.6mm |
重量 | 公称値47g、実測値49.3g |
販売リンク
・MechKeys:https://mechkeys.com/ja/products/zaopin-zpw?variant=46926838333663
・Aliexpress:https://ja.aliexpress.com/item/1005008901770464.html?gatewayAdapt=glo2jpn
開封|同梱品

付属品
- マウス本体
- USB TypeC ケーブル
- 8Kドングル
- マウスソール×2
- グリップテープ×2
- マニュアル


概要|デザイン
Zaopinから新たに発売された「ZPW」シリーズは、従来のハーフエルゴ形状だったZ2/Z2 Miniから、より明確なエルゴノミクス形状へと変更された新作のワイヤレスゲーミングマウス。最新センサーのPixArt PAW3950を搭載し、最大8Kポーリングレート対応、Omron光学式スイッチ搭載、ミドルクラスのサイズながら重量は約47gと軽量で値段もわずか約90ドルとコストパフォーマンスに優れているのが特徴です。

PixArt PAW3395を搭載する通常モデルと最新のPAW3950を搭載するMAXモデルの2種類が展開されており、両者の主な差はセンサー性能と最大DPIのみ。価格差は10ドル程度に抑えられているため、最新センサーを求める方はMAXモデルを選んでおくといいでしょう。今回のレビュー機は、PixArt PAW3950を搭載したMAXモデルのブルー。カラー展開はブルー、ブラック、ホワイト2機種が展開されています。
形状はSteelSeries Prime系に近い右手用エルゴノミクスで、トップシェルが大きく傾斜しているため、自然な角度で握ることができます。全長は約122mmで、様々なユーザーがつかみ持ち・つまみ持ちの両方に対応しやすい中間的な大きさとなっています。


側面は逆ハの字に傾斜がついており、特に左側面は面積が広く、傾斜も大きめです。親指の接地面が広く確保されていてスイートスポットが広く、親指の配置の自由度が高いです。持ち上げ動作や微調整時にも安定したホールド感が得られる印象です。

表面塗装はマットな仕上げで、さらさらとした肌触りの良い質感です。長時間の使用でもべたつきにくく快適に操作できますが、人によってはやや滑りやすいと感じる場合もあるかもしれません。しかし、あらかじめ色違いのグリップテープシートが2枚付属しているため、必要に応じて貼り付けることでグリップ感を高めることができます。

本体のビルドクオリティについても、全体的にしっかりとした作りで、握った際に軋みやたわみはほとんど見られませんでした。50g未満の軽量ボディでありながら剛性は十分で、日常使用やゲームプレイ中に不安を感じることはありません。細部の仕上げも丁寧で、シェルのつなぎ目やボタン周辺に安っぽさは見られず、全体として完成度は高い印象です。

ボタン|スイッチ
メインボタンには、オムロン製のオプティカルスイッチが搭載されています。クリック感はやや柔らかながらも、明瞭なフィードバックがあります。プリトラベル・ポストトラベルは適度に短く、ほとんどの地点で均一なクリック感で良好なクリック感です。
ホイールにはTTC製エンコーダーを採用。適度な硬さのノッチ感があり、滑らかな操作感です。サイドボタンは大きめで、非常に押しやすいです。クリック感も明瞭な感覚があります。また、ブルーモデルでは、ホイールとサイドボタンがイエログリーンになっており、珍しい配色となっています。

センサー|底面
マウスソールはPTFE素材の面ソールが上下2箇所に標準装備されています。程よい厚みがあり、角も丁寧に処理されています。さらに交換用の面ソールとドットタイプのソールが36個付属しているのも嬉しいポイントです。
センサー位置はわずかにフロント寄りです。自然と握った際に親指と薬指の直線上に来るような配置になっています。センサーの左右には電源ボタン兼DPI変更ボタン、接続方式の切替スイッチが備わっています。接続方式はUSB-C有線 / 2.4GHzドングル / Bluetoothの3モードに対応しており、複数のデバイスで使用する際にも便利です。

前モデルであるZaopin Z2 Miniとの比較では、ZPWはサイズがやや大きくなっており、形状もよりエルゴノミクス寄りに変化しています。Z2 Miniでは比較的フラットなハーフエルゴ形状でしたが、ZPWでは手の自然な角度にフィットするような傾斜や丸みが加えられており、握り心地の向上が感じられます。
また、メインボタンのスイッチもHUANO製からOmron製のオプティカルスイッチへと変更されており、押し心地は柔らかさを保ちつつも、より明瞭なフィードバックが得られるようになっています。クリック感のバランスも良く、長時間の使用でも快適に感じられました。


ソフトウェア
ソフトウェアはWebベースのものが用意されており、DPI設定やポーリングレートの切り替え、ボタン割り当て、マクロ設定などをブラウザ上で行うことができます。PCへの常駐アプリをインストールする必要がないため、環境に依存せず手軽に設定を変更できる点が便利です。必要なときにアクセスして調整できるため、複数のPCでマウスを使用する方にも適しています。
主な設定項目は以下の通りです。
- DPI設定:0-30000DPI、50DPI単位で調整可能
- ポーリングレート:125-8000Hz
- LOD設定:0.7 / 1 / 2mm
- マクロ機能
- Motion Sync / Angle Snap / Ripple Controlなど
なお、本稿執筆時点では英語と中国語のみ対応で、日本語には非対応です。UIは直感的で操作しやすく、操作する上で特に困るようなことはありません。



Zaopin ZPW|総評
性能と価格のバランスを考慮すると、ZPW MAXは軽量な右手用エルゴノミクスマウスを探している方にとって、十分に検討に値する選択肢だと言えます。現時点では、SteelSeries Prime系に近い形状のマウスは市場に少なく、この形状を好むユーザーにとっては貴重な選択肢となるでしょう。

8Kのワイヤレス接続に対応し、最新センサーを搭載しながらも、50g未満という軽量設計を実現。さらに、有線・2.4GHz・Bluetoothという3種類の接続方式に対応しつつ、MechKeys公式サイトでの販売価格は通常モデルが79.99ドル(約11,500円)、MAXモデルが89.99ドル(約13,000円)と、機能を考えると非常にコストパフォーマンスの高い製品であると感じます。
また、中国の大手通販サイト「AliExpress」にあるMechKeysの公式ショップでもZPWシリーズが販売されており、MAXモデルが約1万円前後と、さらに手頃な価格で購入可能となっています。為替レートやセール状況によって価格は変動するものの、基本的により安価で販売されています。購入を検討されている方は、こちらのショップもぜひチェックしてみてください。
今回レビューしたブルーモデルはホイールとサイドボタンにイエローグリーンが配された個性的な配色でしたが、よりシンプルなブラックやホワイトのカラーバリエーションも用意されています。エルゴノミクス形状で高性能かつ軽量なゲーミングマウスをお探しの方は、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。
販売リンク
・MechKeys:https://mechkeys.com/ja/products/zaopin-zpw?variant=46926838333663
・Aliexpress:https://ja.aliexpress.com/item/1005008901770464.html?gatewayAdapt=glo2jpn