本稿では、WOBKEY社のメカニカルキーボード「RAINY75」をレビューします。
製品スペック
製品名 | WOBKEY RAINY75 |
カラー | 計6色、10種類 |
キーレイアウト | 75キー 英語配列 / 日本語配列(Liteモデルのみ) |
スイッチ | HMX Violet / 45±5gf AP 2.0±0.6mm Travel 3.5mm Jwick WOB / 40±5gf AP 2.0±0.4mm Travel 3.5mm±0.04mm |
キーキャップ | PBT |
ケース素材 | アルミニウム合金製 |
ライティング | RGBバックライト(18種類、Liteのみ非対応) |
接続方式 | Type-C / 2.4GHz / Bluetooth |
バッテリー持続時間 | 3500mAh(Lite・Color)/ 7000mAh(Pro) |
プレート | PP(Lite・Color)/ FR4(Pro) |
ホットスワップ | 対応 |
サイズ | 320 x 135 x 35mm |
重量 | 1.8kg |
販売先
・株式会社KIBU(国内正規代理店)
・遊舎工房
・Amazon
開封|同梱品
同梱品
- キーボード本体
- USB Type-Cケーブル
- 2.4GHz ワイヤレスレシーバー
- 替えキースイッチ×3
- キーキャッププラー
- マニュアル類
概要|デザイン
Rainy75は、WOBKEYより発表されたメカニカルキーボード。アルミ合金ケースを採用、ガスケットマウント及び5層の吸音フォーム搭載、HMX / JWK社の高品質なキースイッチ、3WAY接続対応、ホットスワップ対応と様々な特徴を持ちながらも、約2万円前後と手頃な価格で販売されています。今年1月に開始されたKickstarterでのクラウドファンディングでは、計4,729人から約70万ドルの支援に到達。非常に注目を集めている製品であることが分かります。
なお、日本でも株式会社KIBUが正規代理店として、Makuakeにて2月9日より予約販売が開始されています。プロジェクト終了は3月9日までとなっているため、気になる方はぜひお早めに。
Rainy75は、Lite、Color、Proの3つのモデルが用意されています。大きな違いとしては、LiteはRGB非対応、HMX Violetスイッチ搭載、PPプレート、本モデルのみ日本語配列対応。ColorとLiteの違いはRGB対応か否か、Proに関してはキースイッチにJWK社のWOB Switchが搭載されているほか、FR4プレート、背面ウェイトが鏡面デザインからステンレスデザインに変更、バッテリーが7000mAhとLite/Colorに搭載されている3500mAhよりも2倍多いものとなっています。
今回レビューするものはColorのホワイトモデル。モデル名はホワイトとのことですが、実際にはベージュに近いカラーです。本体重量はずっしりとした重さがあり、重量の実測値は公称値通り1.8kgでした。
矢印キーの右上にはRainy75のモチーフになっている雲と雨のロゴが刻印されており、控えめながらも可愛らしさのあるデザインとなっています。
裏面には鏡面仕上げのウェイトが備わっています(Lite/Colorモデル、Proはステンレスデザイン)。またここにもRainy75のロゴが刻印されています。本体重量も相まって、滑り止めラバーのグリップ力も十分です。
チルトスタンドは備わっておらず、ケース自体に約7度の傾斜がつけられています。角度は自然でタイピングはし易いものの、本体自体にそこそこの高さがあるため、別途リストレストを用意することをおすすめします。個人的におすすめのリストレストはELECOMのFITTIOシリーズ。柔らかなジェル素材が使用されており、手首への負荷が抑えられます。
接続方式は3モデルともにUSB Type-C、2.4GHz、Bluetoothに対応。公称値では有線の場合には遅延が2ms /2.4GHzは3ms、Bluetoothの場合は7msとゲームでも問題なく使用できそうな性能となっています。
なお、WindowsのほかにMAC、iOS、Linuxにも対応しており、MACの場合はFN+MキーでMACモードに切り替わります。各種接続やショートカットは以下。
- 有線 / 2.4GHz:FN+TAB(再入力で切替)
- Bluetooth:FN+F1 /F2 / F3(長押しでペアリングモード)
- MACモード:FN+M(3秒入力で終了)
- バッテリー残量確認:FN+スペース
なお、無線接続利用時にはCapsLockのキーキャップを取り外し、プレート部分に備わっているスイッチでOn/Offを切り替える必要があります。切替が不便と一部からは不満の声もある本機能ですが、個人的にはこれだけ重量のあるキーボードを持ち運ぶことは想定していないため、あまり気にならないポイントです。
打鍵感|スイッチ
「雨音のような打鍵音」が謳い文句となっているRainy75。底打ち時に発生するコツコツとした音は、雨音というよりは麻雀牌がぶつかり合っているような音に近いように思います。最近話題になっている麻雀牌サウンドを目指して作られたキースイッチ「GATERON Magnetic Jade Switch」をさらにリアルにしたような音といった印象です。
非常に滑らかなでリニアな打鍵感となっており、5層の吸音フォームと重厚なケースが機能し、不快な反響音や共振が一切なく、かなりの安定感があります。今回レビューしているHMX Violet Switchは荷重が45±5gfと、Proモデルに搭載されているJWK社のWOB Switch(40±5gf)に比べるとやや重い荷重となっています。
アクチュエーションポイントは2mm前後と標準的、ストロークは3.5mmで浅めの設計になっています。キーストロークが浅いことに加え、キースイッチ自体の反発力が強いため、軽快なタイピングが可能になっています。
キースイッチの軸ブレなども非常に少なく、さすがはHMX社製といったところ。一貫して安定した入力が可能です。
キーキャップは耐久性や耐油性に優れるPBT素材。Cherryプロファイルで印字が消えることのないダブルショット印刷。キーキャップの厚みは実測値で1.7mmと厚めの部類に入ります。
サラサラとした質感で手触りは非常に良好です。印字は丸みのある可愛らしい太めのフォント。バリなどもなく、価格を考えると非常に高品質といえます。
ソフトウェア
Rainy75は、キーマップ変更アプリのVIAに対応。VIAを通して好みのキーにリマップすることが可能です。
以下、MakuakeのRainy75製品ページから引用。
Q:VIAとは何か、初心者としてどのように使いますか。
A:VIAはキーボードのキーマップをパソコン上の画面から直接操作・即反映を実現できるソフトウェアです。www.usevia.app にアクセスして、お気に入りのキーやマクロコマンドをドラッグ&ドロップするだけで、あらゆるシステム(macOS、Windows、Linux)で好きなキーをリマップすることが可能です。
.jsonファイルのダウンロードが必要となります。
.jsonファイルをダウンロードURL:https://drivers.sfo3.digitaloceanspaces.com/Rainy75%20EN.rar
Makuake – Rainy75
総評
Rainy75は、Kickstarterで大きな話題を集めただけあり、非常に魅力溢れる製品といえます。重厚なアルミニウム製ケースと5層に敷き詰められたフォーム、リニアで軸ブレの少ない打鍵感と雨音に喩えられたコツコツとした独自の打鍵音、3Way接続対応、幅広いOS互換性、ホットスワップ/VIA対応、豊富なカラーリング、そして安価な価格設定。
また、Liteモデル限定とはなりますが、海外製品でありながらJIS配列に対応(JIS Plateと日本語キーキャップが別途必要)しているのも非常に嬉しいポイント。Makuakeでは3月9日まで予約販売が開始されています。
打鍵感も非常によく、箱出しでこれだけの打鍵感を味わえるキーボードは中々ないと思います。価格も2万円前後と品質と性能を考えると非常にお買い得といえます。打鍵感にこだわりのある方はぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
以上、「WOBKEY RAINY75」のレビューでした。
追記:国内正規代理店を務める株式会社KIBUの公式ショップでは、Rainy75の予約販売、キースイッチの単体販売予約が受付中。品切れも多くなっているので気になる方はぜひ早めにご検討ください。
販売先
・株式会社KIBU(国内正規代理店)
・遊舎工房
・Amazon
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