本稿では、WOBKEYのメカニカルキーボード「Crush80 Reboot」をレビューします。
製品提供:株式会社KIBU
製品スペック

製品名 | WOBKEY Crush80 Reboot |
キーレイアウト | US TKL配列 88キー |
スイッチ | Kailh Cocoa Switch(Pro) 作動荷重:45±5gf アクチュエーションポイント:2.0±0.4mm 総ストローク:3.6±0.4mm Frosted Jade Switch(Lite) 作動荷重:45+5gf アクチュエーションポイント:2.0±0.4mm 総ストローク:3.6±0.4mm |
キーキャップ | PBT製 ダブルショット Cherryプロファイル |
ホットスワップ | 対応 |
ガスケットマウント | 搭載 / 5層消音設計、Liteバージョンは4層 |
プレート | PPプレート(Lite)/ FR4プレート(Pro) |
ケース | CNCアルミニウム |
VIA | 対応 |
接続方式 | 有線 Type-C / 2.4GHz / Bluetooth |
バッテリー容量 | 3750mAh(Lite)/ 7500mAh(Pro) |
サイズ | 355×138×34mm |
重量 | 実測約2.36kg |
販売ページ(Makuake):https://www.makuake.com/project/crush80/
開封|同梱品
Crush80には標準で約3,000円相当の収納バッグが付属しています。外側はファブリック素材で、ハードケースのようにしっかりとした作りになっているため、外出時の持ち運びや保管に便利そうです。ただし、キーボード自体にかなり重量があるので、実際に持ち運ぶ方は少ないのではないかと思います。

ケースを開けると、キーボード本体のほか、さまざまな付属品が収納されています。

LiteシリーズにPPプレート、ProシリーズにFR4プレートが標準搭載されており、さらにアルミニウムプレートが予備として付属。また、予備の底部スポンジシートも1枚付いています。


同梱品
- 収納バッグ×1
- Crush80キーボード本体×1
- キャッチボール⽤ネジ×4
- 中枠⽤ネジ×1
- ⽇本語・英語マニュアル×1
- ケーブル×1
- スイッチプラー×1
- 収納袋×1
- 交換⽤スイッチ×3
- シリコンパッド×4
- シリコン製ゴム⾜×2
- アルミ合⾦製プレート×1
- PET製井上底部スポンジシート×1
- 衝撃吸収シリコンパッド×2


概要|デザイン
Crush80 Rebootは、Rainy75シリーズの後継機種にあたるWOBKEYの期待の新作メカニカルキーボード。ユーザーからのフィードバックを反映して開発された最新モデルで、デザインやキースイッチ選定、素材などが全面的にアップグレードされているとのこと。配列も75%からTKLサイズに変更され、より普遍的な配列となりました。
ラインナップはLiteモデルとProモデルの2種類があり、搭載されるキースイッチやRGBの有無、バッテリー容量、分割スペースプレート対応の有無などが異なります。本稿ではPro Silverモデルをレビューします。

前作Rainy75同様、ケースは削り出しのフルアルミニウム製で非常に重厚感のあるつくりです。全体的にシンプルなトーンで統一され、主張を抑えたミニマルなデザインが魅力です。さらにポップな印象のカラーリングも選択可能で、Liteは2色、Proは10色と豊富なラインナップが用意されています。

ケースはCNC加工のアルミニウム製で、重量は実測約2.36kg。持ち運ぶには現実的ではないほどの重さがあります。塗装方法は陽極酸化(Anodized)と電気泳動(Electrophoresed)の特殊な着色工法を採用しており、一般的なスプレー塗装と比較してより鮮やかで耐久性に優れ、滑らかな手触りを実現しているとのこと。実際に触れてみると塗装ムラはなく、高品質な仕上がりです。

キーボード右端にあるロゴにはRGBライトが搭載され、4種類の点灯パターンから選択可能。もちろん消灯もでき、控えめながらアクセントとなっています。無骨すぎないミニマルなデザインを演出してくれるポイントです。

キーキャップはPBT樹脂製のダブルショット方式で、印字が消えにくい仕様。マットでさらさらした質感で、厚みも約1.7mmありしっかりしています。

底面にはPro Silverモデルではステンレス氷晶ウェイトが搭載されており、鏡面仕上げで高級感が演出されています。

また、Rainy75にはなかった2.4GHzレシーバーを収納できるポケットが追加されています。マグネット式の蓋がウェイト部分に設けられており、使用しない際にはレシーバーを保管できます。

また、底面の左右にはRGBライトバーが搭載されており、使用中にほんのりと幻想的にデスクを照らしてくれます。こちらも4種類の点灯パターンが用意されており、好みに応じて簡単にショートカットで調整することができます。


チルトスタンドはなく、6度の傾斜がついています。自然な角度でタイピングが可能です。

Rainy75では直線的な形状でしたが、Crush80では底面のデザインがより洗練されている印象です。曲線が非常に美しく、所有欲を満たしてくれます。

接続に関しては、有線に加えて2.4GHzおよびBluetoothにも対応。バッテリー容量はRainy75よりわずかに増量しています。ワイヤレス接続時は、Caps Lockキー横のバッテリースイッチをオンにし、ワイヤレスレシーバーをPCに接続。続いてFN+TABを押すと数字の4キーが点滅→常時点灯となり、接続完了です。

Bluetooth接続はFN+TABを押して数字の1-3キーを点滅状態にし、さらにFN+1-3のいずれかを長押ししてペアリングを開始。最大3台まで接続可能で、FN+1-3を押して接続先デバイスを切り替えられます。また、Crush80は技適を取得しているため安心して使用できます。

Rainy75からの大きな変更点として、Crush80では、「簡単取りはずし設計」が採用されています。ケースにはキャッチボールと呼ばれる仕組みが備わり、トップケースとボトムケースを工具なしで簡単に着脱することができます。


また、PCBとケースの間には配線を使わない「マグネット式POGOピン設計」が採用されており、ボトムケース側のマグネットがPCBと接点をつなぐようになっています。これにより分解作業が容易になるだけでなく、故障リスクの軽減にもつながっています。


ガスケットマウントも搭載され、打鍵時の衝撃を吸収。さらに、Proモデルでは5層、Liteモデルでは4層の消音フォームが内部に配置され、反響ノイズをしっかり抑えた上質な打鍵感を実現しています。

ケース内部には消音フォームが充実しており、Proモデルでは5層、Liteモデルでは4層が搭載されています。内部空間を埋め、さらにガスケットマウントを搭載することで反響ノイズを減らした上質な打鍵感をもたらしています。



打鍵感
Crush80 Rebootには、ProモデルにKailh Cocoa Switch、LiteモデルにHMX Frosted Jade Switchが搭載されています。今回のレビュー機ではKailh Cocoa Switchが搭載されています。作動フォームは45±5gfで、総トラベルは3.6±0.4mm、総ストロークは2.0±0.4mmです。荷重は標準的で、軽快な打鍵感です。ルブ済みなので滑らかで、わずかな擦過音が聞こえますが総じて上質な押し心地です。

底打ち音はやや大きめで、静音性にはあまり期待できません。カタカタと軽快な打鍵音を楽しむキーボードのように思います。もちろん、ホットスワップに対応しているため、好みのメカニカルキースイッチに交換することも可能です。
前述した内部構造やガスケットマウント、重厚なアルミニウムケースにより、反響音はかなり抑えられています。中身が詰まったような感覚があり、打鍵感はさすがRainy75シリーズの後継機種という印象を受けます。
また、スタビライザーも十分にルブされており、スペースバーの端を押しても金属音はほとんど聞こえません。非常に滑らかな押し心地に仕上がっています。

Rainy75(Colorモデル HMX Violetスイッチ)と比較すると、打鍵感の性質はかなり違うように感じます。もちろんキースイッチが違うことやプレートが違う(Rainy75はPP、Crush80はFR4プレート)ことも大いに影響していますが、Rainy75の方がやや底打ち感が柔らかく、より低音寄りで粘り気のある打鍵感に感じます。
一方のCrush80は、より硬質な底打ち感で打鍵音も少し大きめ。また、Cocoaスイッチの方が打鍵感もやや軽めです。個人的にはどちらも好きな打鍵感ですが、やや性質が異なる点には注意が必要です。動画で打鍵音を聞き比べていただいて、どちらの打鍵音が好きかで判断してもらえればと思います。
WOBKEY Crush80 Reboot|総評
Crush80 Rebootは、昨年Rainy75シリーズを発売して大きな話題を集めたWOBKEYの期待の最新モデル。配列がTKLサイズになり、さらに工具なしで簡単に分解できる構造を採用。デザインやキースイッチ選定、素材など全面的なアップグレードが施されており、特にデザイン面はより洗練された印象となりました。背面のステンレス氷晶ウェイトや側面に配置されたRGBライト、さらに底面デザインのこだわりなど、随所に進化したポイントが見られます。

特に気に入った点としては、やはり分解が簡単な点です。キーボードのメンテナンスはもちろん、テープModなど打鍵感向上のためのカスタマイズなどを頻繁に行うユーザーにとっては大きなメリットと言えます。
また、Crush80 Rebootはカラーリングが豊富な点も魅力的です。ブラックやシルバーなどの一般的なカラーからレッドやパープル、ウォームシルバーなど計10色のカラーがラインナップされています。
Crush80 Rebootは現在、Makuakeで2月28日までクラウドファンディングを実施中。すでに目標金額50万円を突破し、サポーター275人、購入総額は550万円超えを達成しています。現時点ではLiteモデルが20%OFFの21,500円、Proモデルが17%OFFの25,900円で入手可能。洗練されたデザインと上質な打鍵感を求める方は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
販売ページ(Makuake):https://www.makuake.com/project/crush80/
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