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REALFORCE R4 レビュー:4年ぶりに刷新された最新モデル、近接センサー&マウス機能搭載、APCは22段階調整が可能に

本稿では、東プレのキーボードブランド「REALFORCE」から新たに登場した静電容量無接点方式キーボード「REALFORCE R4」をレビューします。

製品提供:REALFORCE

目次

製品スペック

REALFORCE R4 スーパーホワイト|出典:REALFORCE
REALFORCE R4 ブラック|出典:REALFORCE
スクロールできます
フルサイズテンキーレス
カラーブラック / スーパーホワイト
キーレイアウト日本語 / 英語配列
キー数:112(日本語)/ 108(英語)
日本語 / 英語配列
キー数:91(日本語)/ 87(英語)
スイッチ東プレスイッチ(静電容量無接点方式)
キーストローク:4.0mm
スイッチ寿命:1億回以上
キー荷重:45g / 30g / 変荷重
APC各キースイッチのオン位置を0.8mm~3.0mmで調節可能
キーキャップPBT昇華印刷 / ステップスカルプチャー
機能センサー機能
マウス機能
フルNキーロールオーバー
APC機能
キーマップ入替機能
キーマップ4面を切替
ECO モード設定
オンボードメモリー機能
接続方式Bluetooth 5.0 & USB
最大4つの機器とマルチペアリング接続対応
サイズ146.5×452×39mm146.5×366×39mm
重量1.3kg1.1kg
価格37,180(税込)36,520(税込)

開封|同梱品

同梱品

  • キーボード本体
  • キーボード本体取扱説明書(保証書)
  • 単4乾電池 3本
  • USB ケーブル(Type-A ⇔ Type-C)

製品概要 / デザイン

REALFORCEは、東プレが展開する高級キーボードブランドです。物理的接点を持たない静電容量無接点方式を採用し、チャタリングの起きにくさ、優れた耐久性、安定した作動を武器に、長年にわたりデスクワーカーやゲーマーから支持を集めてきました。もともとは業務用として開発された経緯があり、実際にセブン銀行のATMには東プレ製の特注テンキーが採用されています。

初代のR1シリーズは2001年に発売され、当時から品薄になるほどの注目を獲得。続いて2017年に第2世代のR2、2021年に第3世代のR3が登場し、そして今回、約4年ぶりの最新世代となるR4が発表されました。

新シリーズ「R4」では、デザインをよりスタイリッシュに刷新するとともに、APCやキーマクロなどの機能を強化。全20機種をラインナップします。なお従来の「R3」シリーズは、2025年10月31日をもって生産終了となります。

R3からの主な進化として、まず近接センサー機能を新搭載。無操作時は省電力で待機し、手を近づけるだけで自動的に再接続します。さらに、キーボード操作だけでカーソル移動やクリック、スクロールが行えるマウス機能も追加。加えてAPC(アクチュエーションポイントチェンジャー)は従来の4段階から0.8~3.0mmを0.1mm刻みの22段階へと大幅に拡張されました。キーマクロ対応も含め、従来より一段と柔軟なカスタマイズが可能になっています。

今回はブラックの日本語配列(30g)とスーパーホワイトの英語配列(45g)の2モデルをレビューしていきます。いずれもテンキーレスです。

外観面では、前述の通り刻印の中央配置と「かな無し」の標準化が大きな変更点です。ミニマルな意匠によって余白が生まれ、どんなデスクにも自然に馴染むシンプルで洗練されたデザインに仕上がっています。

刻印の中央配置は、昨年の最小・最軽量モデル「RC1」で既に採用されていました。一方、R3シリーズは(Mac対応モデルを除き)左上配置が基本でしたが、R4では中央配置に統一され、より洗練された印象に。なお、「かな有り」は45gモデル限定の展開となっています。

また今作では、R3でキーボード上部にあったロゴや各種インジケーター、ボタン類を排し、よりシンプルな外観になりました。高級感の演出という意味ではR3に分がある面もありますが、R4は意図的にミニマルさと視覚的なノイズの少なさを優先したデザインへと進化しています。

かな無しと刻印の中央配置によって余白が生まれ、よりすっきりとした雰囲気になりました。個人的にも中央配置は好みで、非常に嬉しいアップデートです。

スーパーホワイトモデルは、名前の通り純度の高いホワイト。清潔感のあるクリアなトーンに仕上がっています。
ブラックモデルはややグレーがかった色味で、高級感のある佇まいです。

ケース前後には斜めカットが施され、使用中に手のひらや手首が当たっても痛くなりにくく、触れ心地もやさしいデザインになりました。
なお、R3にあったトップパネルの交換機構は、R4では非搭載となっています。

キーボード背面左側には、電源スライドスイッチとUSB Type-Cポートが備わっています。

接続方式はBluetooth 5.0無線接続およびUSB Type-C有線接続のハイブリッド仕様。最大4台までのデバイスとマルチペアリングでき、ワンタッチで切り替えが可能です。無線接続時は単4電池3本で動作します。

無線接続はFn+F1~F4キーで簡単に接続先を切り替えることができ、切替もスムーズです。動作も安定しており、ストレスなく複数のデバイスで使い回すことができます。

底面中央には、「REALFORCE」のロゴが刻印されており、控えめな主張ながら所有欲を満たしてくれるデザインになっていると感じます。
滑り止めラバーは下部に2つ連立したものが左右に配置されており、上部は左右に各1つというレイアウト。グリップ力も十分に備わっており、安定したタイピングが可能です。

チルトスタンドは一段階のみで、好みに応じて2段階でタイピング角度を調整可能です。適度な硬さのあるしっかりとした作りで、安定感があります。

  • 無調整時:約5度
  • チルトスタンド使用時:約11度

新機能「マウス機能」「近接センサー機能」が搭載

REALFORCE R4には、新機能として「マウス機能」と「近接センサー機能」が搭載されました。

まずマウス機能は、キーボード操作で基本的なマウス操作を行えるというもの。Fnキーと特定キーの組み合わせで、カーソル移動 / 左・中・右クリック / スクロール / チルトに対応します。

出典:REALFORCE

実際の使用感として、カーソル移動はやや滑らかさに欠けるため細かな操作には不向きですが、スクロールやチルトは右手だけで完結でき、マウスの補助としては十分実用的です。コンセプトとしても非常に面白く、カーソル移動の挙動については今後のアップデートに期待したいところです。

マウス機能のキー操作は以下の通りです。現時点で変更はできない模様です。

  • Fn+WASD:マウスカーソル移動(Shiftキー併用でカーソルの移動速度が高速化)
  • Fn+ZXC:左、中、右クリック
  • Fn+↑↓:スクロール
  • Fn+←→:チルト

近接センサー機能は、手前・左右の3辺に備えたセンサーで無操作時は省電力待機 → 手を近づけるだけで自動復帰する仕組みです。離席・着席の多い環境でも使い勝手がよく、無線接続時でも省電力で運用できる点がメリットです(電源スライドをONかつ電池駆動時のみ有効)。

打鍵感 / スイッチ・キーキャップ

REALFORCE R4は、静電容量無接点方式の東プレスイッチを採用。物理的接点を持たないためチャタリングが発生せず、耐久性にも優れている、REALFORCE伝統のキースイッチです。ラバードーム構造により底打ちが柔らかく、メカニカルや磁気スイッチでは得がたいしっとりとした唯一無二の打鍵感を実現しています。

スイッチ自体の仕様は従来通りで、心地よい押し心地は健在です。ただしスタビライザーはコンパクトモデル「RC1」と同様にR3から改良が施されており、金属的なノイズが抑えられ、タイピングの快適性が一段と向上しています。

打鍵感は総じてRC1に近い質感ですが、筐体重量の違いもあってR4のほうが打鍵時の衝撃吸収に優れ、音はより低域寄りで静かに感じます。

30gモデルは非常に軽く、長時間のタイピングでも指や手首に疲労が溜まりにくいのが特徴です。打鍵音も控えめで静音性に優れており、静かな環境でも快適に使用できます。

一方で45gモデルは、押し始めに滑らかなタクタイルの山があり、ピークを超えるとストンと底に落ちるような独特の打鍵感を楽しめます。30gモデルよりわずかに音は大きいものの、しっとりとした上質な打鍵感が得られる設計になっています。

どちらも完成度が高く、優劣をつけるのは難しいですが、日常の執筆作業や汎用的な用途では負荷が少ない30gモデルのほうが扱いやすいと感じます。一方で、より明確な打鍵感を楽しみたい方やミスタッチを抑えたい方には45gモデルが魅力的です。最終的には好みや用途によりますが、汎用性という点では30gモデルのほうが一歩リードしている印象です。

キーキャップはPBT樹脂製で、染料を浸透させる昇華印刷を採用。印字が消えにくく耐摩耗・耐油性に優れます。微細なテクスチャを持つマットな触感は従来同様で、滑りにくく心地よい指当たりです。

ソフトウェア

REALFORCE R4は、専用ソフトウェア「REALFORCE CONNECT」で各種設定を行うことができます。加えて、Webブラウザ上で動作する「REALFORCE CONNECT ONLINE」(ベータ版)も提供されており、機能は一部制限がありますが、インストール不要で手軽に設定を変更できます。

さらに本製品では、一度インストールした後はBluetoothでの無線接続時でもソフトウェアにアクセスすることが可能となっています。

主な設定可能項目は以下の通り。APC設定やキーマップ変更、無線接続設定などさまざまな設定を調整できます。

  • ヒートマップ
    • 総打鍵数やキーごとの打鍵数を確認できる機能
  • バッテリー残量表示
    • キーボード本体のインジケーターでも確認可能(Fn+F10キー、30%以上:緑、10%以上:黄、10%未満:赤)
  • LEDインジケーターの明るさ調整
    • OFF、LOW、HIGHの3段階
  • 無線接続設定
    • エコモード(省電力モード)設定
      • Lv1:無線OFFまで15分
      • Lv2:無線OFFまで30分
      • Lv3:無線OFFまで45分
      • Lv4:カスタム(10分から180分まで10分刻みで設定可)
      • エコモード無効
  • APC(アクチュエーションポイントチェンジャー)設定
    • 0.8~3.0mmまで0.1mm刻みでキー個別に設定可
    • キーストロークの視覚的な表示機能あり
  • キーマップ入替(1マップ毎にノーマル+Fnの2面設定でき、最大8面まで可能)
    • キーマクロ設定も新たに追加

無線接続時にはエコモードの設定が可能で、自動的に接続がオフになるまでの時間を10分から180分の範囲で自由に設定できます。エコモード自体を無効化することもでき、常時電源オンにすることも可能です。

また、APC(アクチュエーションポイントチェンジャー)はR3やR3Sモデルから大幅に進化し、0.8~3.0mmの範囲を0.1mm刻みで22段階調整できるようになりました。従来モデルが4段階(0.8 / 1.5 / 2.2 / 3.0mm)のみだったのに対し、より繊細なカスタマイズが可能になっています。

REALFORCE R4|総評

「REALFORCE R4」は、R3シリーズから約4年ぶりに登場した最新の静電容量無接点方式キーボードです。伝統の東プレスイッチを採用しつつ、外観デザインを刷新して、よりシンプルで洗練された佇まいへと進化しました。キーキャップは「かな無し」が標準化され、刻印は中央配置となり、よりミニマルな印象となりました。

機能面では、新たに「マウス機能」と「近接センサー機能」を搭載。キーボード上で簡易的なマウス操作が行えるほか、無操作時は省電力で待機し、手を近づけるだけで自動復帰できるため、日常の使い勝手が確実に向上しています。

さらに、APC(アクチュエーションポイントチェンジャー)は0.8〜3.0mmを0.1mm刻みの22段階で調整可能となり、高速入力やゲームなど幅広いニーズに応えるカスタマイズ性が魅力です。同ブランドのゲーミングキーボード「GX1」に近い操作感へと迫っており(GX1は0.1~3.0mmの30段階、ラピッドトリガー機能搭載)、日常使いや執筆作業はもちろん、ライトゲーマーの方にもおすすめできる一台となっています。

接続方式はBluetooth 5.0とUSB Type-Cのハイブリッドに対応し、PCだけでなくスマートフォンやタブレットなど、最大4台までマルチペアリングで切り替えて使用できます。複数デバイスを行き来するユーザーにもおすすめできる実用性を備えています。

「REALFORCE R4」シリーズは、10月15日より同社直販サイトおよび主要量販店で販売開始。価格はテンキーレスモデルが税込36,520円、フルサイズモデルが税込37,180円。20機種のうち16機種が日本語配列、4機種が英語配列として展開されています。 

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