本稿では、MelGeekより発売されているゲーミングキーボード「MADE68 ULTRA」をレビューします。
製品提供:Rabbit0
製品スペック

製品名 | MelGeek MADE68 Ultra |
カラー | Anodized Black / Anodized Silver / Electrophoresis White |
キーレイアウト | US配列 / 68キー |
キーキャップ | PBT |
スイッチ | TTC KOM Switch ・Operation Force:35±10gf ・Total Travel: 3.5±0.2mm |
AP / RP | AP:0.1mm~ / RP:0.01mm~ |
ポーリングレート | 8000Hz |
レイテンシー | 0.125ms |
ケース | アルミニウム |
接続方式 | 有線 |
サイズ | 319×117×40mm |
重量 | 1.3kg |
販売ページ(Rabbit0):
・MADE68 Ultra Anodized Silver
・MADE68 Ultra Anodized Black
・MADE68 Ultra Electrophoresis White
開封|同梱品

同梱品
- USB Type-Cケーブル
- キーキャッププラー
- 予備キーキャップ
- ステッカー
- マニュアル類

概要|デザイン
MADE68 Ultraは、MADE68シリーズの中でも最上位モデルとして位置づけられています。下位モデルのProでは無印モデルと比較すると、ポーリングレートが1000Hzから8000Hzへと高速化し、スイッチもGreen hornetからTTC KOMへ刷新されました。そこからさらにUltraでは、主に以下の外観・素材面がアップグレードされています。
- キーキャップ:ABS → PBT
- ボトムケース:プラスチック → アルミニウム
- サイドパネル:通常素材 → フォージドカーボンファイバー

性能自体はProと変わりませんが、各種パーツ素材がアップグレードされています。カラーは「Anodized Black」「Anodized Silver」「Electrophoresis White」の3色展開で、本稿ではホワイトをベースにしたElectrophoresis Whiteを中心に紹介します。
MADE68シリーズの最大の魅力は、洗練されたデザイン性と言えるでしょう。MelGeekはこれまでも独自のデザイン製品を数多く手掛けており、その中でもMADE68シリーズは、発売当初からスタイリッシュな外観で注目を集めてきました。
MADE68 UltraのElectrophoresis Whiteモデルのキーキャップは白地に黒の印字とシンプルなデザインです。

背面全面にはLEDバーライトが搭載されており、透過性のプラスチックで覆われています。使用中はデスクをほんのりと照らし、幻想的な雰囲気を演出してくれます。

サイドパネルにはフォージドカーボンファイバーが使用されており、キーボードとしては珍しくパネルがネジ止めされた仕様になっています。そのため、工業製品のような無骨さと高級感が際立つ佇まいに仕上がっています。

底面はホワイト一色で統一され、非常にシンプルなデザインになっています。アルミニウム製の底面ケースはややベージュがかったホワイトで、マットな質感が高級感を引き立てています。四隅には滑り止めラバーが備わっており、実測値1283gというずっしりとした重量も相まって、使用中にキーボードがずれる心配はほぼありません。

チルトスタンドは備わっていませんが、本体そのものに適度な傾斜が設けられています。

左端にはプログラミングコードのような文字列が絶妙な余白を保ちながら並び、洗練された工業製品を思わせる上品な仕上がりになっています。

また、右端には「PLAY FOR FUN NOT TO WIN」(勝つためではなく、楽しむためにプレーせよ)と刻印されたミラープレートが取り付けられており、細部までデザインへのこだわりが感じられます。

接続ポートは背面の左端に搭載され、USB Type-Cに対応しています。

打鍵感
MADE68 Ultraには、最近のハイエンドキーボードでよく採用されている高精度なTTC KOMスイッチが搭載されています。押下圧は35±10gfと非常に軽く、総ストロークも3.5±0.2mmとやや短めなため、軽快な押し心地が特徴です。

打鍵感については、スイッチ自体が底打ち時に高音が響きやすい傾向があるうえ、アルミニウム製プレートが採用されていることも相まって、底打ち時の硬さと高音がやや気になる印象です。しかし、その分打鍵感は均一で、ボックス型ステムによって軸ブレが極めて少なく、入力の均一性と安定性を確保しています。
主流のGateron Jade Proと比べると、打鍵感の好みが分かれる部分はあるものの、軸ブレに関しては間違いなくTTC KOMのほうが優秀です。また、本モデルは部分的なキースイッチ交換にも対応しているため、キースイッチを交換することで、打鍵感を好みに合わせて向上させることも可能です。
全体的には、打鍵感より性能を重視したキーボードという印象ですが、スイッチを部分的に取り替えられるため、カスタマイズ性に優れている点は大きな魅力だといえます。

キーキャップはProモデルでABS樹脂製だったものが、UltraではPBT樹脂製にアップグレードされています。マットな質感と高い耐油性を備えており、長時間の使用でも汚れが溜まりにくく、目立ちにくい印象を受けました。キーキャップの厚みは実測値で約1.5mmと、標準的なレベルです。

ソフトウェア
MelGeek MADE68 Ultraでは、Webドライバーを通じてさまざまな設定を行うことができます。ライティングやマクロ機能はもちろんのこと、スナップタップ機能や自動キャリブレーション、複数のキースイッチを同時に使用できる機能なども備わっているのが大きな特徴です。対応しているキースイッチは11種類にのぼり、主要メーカーのスイッチを広くカバーしています。

アクチュエーションポイントは0.1-3.3mmの範囲で細かく調整できるほか、ボトムデッドゾーンの調整や、ラピッドトリガーは最短0.01mmから2.4mmまで0.01mm刻みで細かく調整できるのが特徴です。設定後は、キーストローク分析ツールを使ってAPやRPなどの動作をすぐに確認できるため、試行錯誤を繰り返しながらベストな調整を見つけやすい点も魅力です。

また、ソフトウェア自体は直感的で扱いやすく、ブラウザ経由で使えるWebドライバー版が用意されている点は嬉しいポイントです。現時点では対応言語が英語と中国語のみですが、UIがシンプルなので設定作業自体は特に難しくありません。


ソフトウェア 設定可能項目
- キーバインド設定
- キースイッチ&背面バーライトのライティング設定(計6種のライティングパターン。色や明るさ、スピードも細かく調整可能)
- DKS、ショートカット、マクロ、Snap Tap、QRTなどの各種設定
- アクチュエーションポイント&ラピッドトリガー設定
- アクチュエーションポイント:0.1-3.3mm / 0.1mm刻み(TTC KOM)
- ボトムデッドゾーン:0-0.07mm / 0.01mm刻み
- ラピッドトリガー:0.01-2.4mm / 0.01mm刻み(TTC KOM)
- 自動&手動キャリブレーション機能
- 使用スイッチの個別設定
- Magnetic White
- Magnetic Jade
- Magnetic Jade Pro
- Magnetic Jade Max
- Magnetic Jade Gaming
- Kailh Green Hornet
- TTC KOM
- TTC KOM RGB
- TTC Uranus
- TTC Uranus SE
- TTC Uranus Gaming
- キーストローク分析ツール(キーストロークの記録や入力情報の分析)
MelGeek MADE68 Ultra|総評
MelGeek MADE68 Ultraは、MelGeekがリリースしているMADE68シリーズの最上位モデルです。ポーリングレートが8000Hzに対応しており、低遅延を実現。高精度スイッチとして注目を集めるTTC KOM Switchを標準搭載していることもあり、性能面で非常に優秀な製品に仕上がっています。

従来のProモデルとの性能差はほとんどありませんが、キーキャップやケース、サイドパネルなどの素材をアップグレードすることで外観が大きく変わっています。重量はProモデルが約850gであるのに対し、本モデルはアルミニウムケースを採用することで約1.3kgへと増加し、ずっしりとした安定感を得られるようになりました。
標準搭載のTTC KOMスイッチは軸ブレが非常に少なく、動作の安定性が高いという特徴があります。Gateron Jade Proと比べると打鍵感の好みが分かれる部分はあるものの、性能面を重視するならTTC KOMに軍配が上がりそうです。さらに、本モデルでは複数のキースイッチに対応しているため、WASDだけをTTC KOMにして、他の部分をJade Proに変更するといった部分的なカスタマイズも可能です。

外観の美しさはもちろん、性能面でもトップクラスのMADE68 Ultraは、個人的にも所有欲を満たしてくれる外観が特に気に入っています。高性能かつ安定した動作も相まって、非常に満足度の高い一台と言えるでしょう。
日本国内ではRabbit0が取り扱っており、価格は29,800円(税込)。デザインと性能を兼ね備えたハイエンドキーボードを探している方は、ぜひ候補に入れてみてはいかがでしょうか。
また、MADE68シリーズにファンクションキーなどが追加された「MADE84 Pro」や、TTC KOM Miniスイッチを搭載した新たなロープロファイル版のラピッドトリガーキーボード「MADE68 Air」も現在予約受付中です。
販売ページ(Rabbit0):
・MADE68 Ultra Anodized Silver
・MADE68 Ultra Anodized Black
・MADE68 Ultra Electrophoresis White
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