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Logicool G515 RAPID TKL レビュー:ロープロ×磁気アナログスイッチ×ラピッドトリガー、最短0.1mmに対応した23,500円の薄型ゲーミングキーボード

本稿では、Logicoolのラピッドトリガー対応ロープロファイルキーボード「G515 RAPID TKL」をレビューします。

製品提供:Logicool

目次

製品スペック

画像:Logicool
キーレイアウトテンキーレス JIS配列
スイッチ磁気アナログスイッチ
・キーストローク:2.5mm
・押下圧:35+/-7g
キーキャップダブルショット PBTキーキャップ
構造ステンレススチール製トッププレート
多層構造設計
機能ラピッドトリガー
キーの優先順位
マルチポイントアクション
ホットスワップ非対応
接続方式有線 USB-C
サイズ354.75×146×22mm
重量約800g

開封|同梱品

同梱品

  • G515 RAPID TKL アナログゲーミングキーボード
  • USB-A – USB-Cケーブル
  • 取扱説明書、保証規定

製品概要 / デザイン

G515 RAPID TKLは、Logicool Gとして初めてラピッドトリガーに対応したロープロファイルのゲーミングキーボード。磁気式スイッチを採用し、キーが反応する深さ(アクチュエーション)は0.1〜2.5mmで細かく調整可能。薄型フォームにRTを載せた、まさに待望のロープロゲーミングキーボードと言えます。

Logicoolは2019年、薄型メカニカルのG913シリーズでロープロブームを牽引。無線対応や3種類のスイッチ、洗練されたデザインで高い評価を獲得する一方、当時はキーのぐらつきや印字の耐久性といった課題も指摘されていました。その後、2024年7月にコストを抑えたG515シリーズを投入し、PBTダブルショットキーキャップや刷新スイッチで質感と打鍵感を改善。さらに同年10月にはG915 Xをリリースし、キーまわりの完成度を一段と高めています。

Logicool G913 TKL / 画像:Logicool

そして2025年10月9日、この流れを受けて登場したのがG515 RAPID TKLです。G515をベースにしつつ、Logicoolとしては初のロープロファイル×磁気式×ラピッドトリガーを実現。ロープロファイル特有の反応の速さと戻りの軽さを、薄型筐体でしっかり体感できるモデルに仕上がっています。

本体の最厚部は22mm。ロープロらしい薄型・スリムな筐体で、リストレストなしでも使用しやすい設計です。上面はステンレススチール製トッププレート、内部は多層構造設計で、薄さのわりにたわみにくいしっかりした作りです。

ステンレススチール製トッププレート+多層構造設計 / 画像:Logicool

筐体はトッププレートがホワイト、背面・底面はグレーで統一されています。また、キーキャップの配色はWASDのみグレー、その他はホワイトと筐体同様にツートン仕様となっています。

全体的にミニマルで落ち着いた雰囲気で、。ロゴも右側面に薄く刻印されているのみで視覚ノイズが極めて少なく、ゲーミング環境だけでなくオフィス用途としても違和感がない仕上がりとなっています。

キーキャップはPBTダブルショットで、印字が消えにくく、表面はサラッとしたマット質感で皮脂が目立ちにくい仕上げ。刻印フォントは太めで可読性が高く、モダンな印象を受けます。また、刻印部分はバックライト透過に対応し、暗所でも使用できる点が嬉しいポイントです。

キーキャップは高さが抑えられているため、ホームポジションからの上下移動が短く、素早い指の往復がしやすいのもポイントです。個人的にはキーキャップカラーは統一したいユーザーも少なからずいると思うので、予備としてベースカラーのキーキャップも付属していたらなお良かったと思います。

底面は樹脂製ながら、斜めの細かなテクスチャで見た目・触感ともにチープさはありません。滑り止めは下部3点・上部2点のゴム脚で、フリックや強めのキー操作でも筐体がズレにくい設計となっています。

チルトスタンドも搭載されており、角度はフラット・中・高の角度から好みに合わせて調整可能。重量は実測807gで、据え置き時は安定感がありつつ、持ち運びにも支障のないバランスに収まっています。

LEDは各キー単位でライティングに対応(ライティングは後述のソフトで調整)。安価なモデルに見られるギラつきはなく、刻印とその周囲をやわらかく照らす上品な光り方です。暗めの環境でも視認性が高く、デスク全体の雰囲気も落ち着いて演出してくれます。

USB-C端子は背面で、ケーブルは着脱式です。操作系は左上面にゲームモード切り替えボタン、右上面にCaps Lockインジケーターを配置。上位機のG915 Xにあった音量ダイヤルやメディアキーは非搭載ですが、その分レイアウトがすっきりしています。

本製品の完成度には総じて満足していますが、個人的にはG915系にもラピッドトリガー搭載モデルの発売も期待したいところです。音量調整ダイヤルやさらなる筐体の質感の高さといった面では、やはりG915シリーズにしかないメリットだと感じています。

打鍵感 / スイッチ

キースイッチはロープロファイルの磁気アナログを採用し、細かなカスタマイズに対応しています。アクチュエーションは0.1~2.5mm、ラピッドトリガーは0.1~1.5mmの範囲で0.1mm刻みの調整が可能で、キーごとに最適化できる自由度の高さが魅力です。これまでラピッドトリガー対応のロープロファイル機は選択肢が限られていましたが、Logicoolからの待望の登場と言えるでしょう。ロープロファイルを注目していた身としても、非常にうれしいアップデートです。

打鍵感は軽めのリニアで、押し心地は非常にスムーズ。スイッチはRAESHA製のロープロスイッチで、押下圧は35±7gと軽めの押し心地です。カサつきや擦過音はあまり気にならず、キーのぐらつきも少なめで素直なフィーリングです。

一方で、底打ちに関してはクッション性が少なく、やや硬めなフィーリングです。ガスケットマウントのように衝撃を吸収するタイプではないため、長時間のタイピングでは指先が少しずつ疲れてくるような感覚があります。なお、薄型でストローク量が少なく、かつ押下圧も軽いため、強めに底打ちしない限りは、負荷はあまりかかりません。

スタビライザーに関しては、Enterキーはわずかにワイヤーの金属音が鳴ります。スペースバーは上手く調整されており、金属音はほとんど聞こえません。Enterキーを除いてはスタビライザーも上手く調整されており、快適に使用することが可能です。

ゲーム用途では、ロープロ特有の総ストローク2.5mmとラピッドトリガーの組み合わせが効いて、連打の立ち上がりや戻しが軽快です。微細な入力の調整が必要なFPS/TPSとの相性は抜群に感じます。

総評(打鍵感)としては、軽い押し心地・ぐらつきの少なさ・調整幅の広さが揃っており、磁気スイッチ採用のロープロファイルキーボードとしては上々の仕上がりだと感じます。いわゆるタイピング特化のロープロメカニカルキーボードと比べると打鍵時のしっとり感は控えめですが、応答性重視なら間違いなく満足できる製品だと感じます。

ソフトウェア

G515 RAPID TKLの各種設定は、Logicoolの専用ソフトウェア「Logicool G HUB」で行います。設定可能な主な項目は以下の通りです。

  • ライティング設定
    • 9種類のライティングパターンプリセット(固定、リップル、星の光など)
    • 各キーごとに個別設定も可能
    • アニメーションプリセットも5個用意(Ocean Wave、Red White and Blueなど)
    • アニメーションはオリジナルのものを作ることができ、トランジションパターンやフレームなどを細かく指定し、自分好みのアニメーションを作成可能
  • キー割り当て機能
    • 各種キーの割り当てが可能
    • レイヤーは3種類(ベース、FN、Gシフト)が用意。FNレイヤーではFNキーを長押ししている時のみ動作するレイヤー、GシフトはFNレイヤーよりも柔軟で、特定の指定したキーを押している時のみ動作するレイヤーでLogicool製マウスであればマウスボタンなども指定可能
    • 各種キーのマッピングはモディファイア(Alt、Ctrl、Shift)+イベントタイプ(標準、押す、保持、リリース)を組み合わせ割り当てでき、キーマッピングに加え、一部対応のソフトウェア(Discord、Overwolfなど)起動時のみ動作する機能や、マウスボタン機能やメディア操作、オーディオ入出力デバイスの切り替えといったシステムアクション(ファイルや引数などを指定して細かく設定可能)、マクロ設定などに対応
  • アクチュエーションポイント / ラピッドトリガー設定
    • アクチュエーションポイントは0.1mmから2.5mmまで0.1mm単位で設定可能
    • ラピッドトリガー(高速トリガー)は、0.1mmから1.5mmまで0.1mm単位で設定可能
    • 2つのキーを設定し、キーの優先順位を指定するSOCD機能(先に押していた方向を打ち消して、後に押した方向を即座に有効にするなど)にも対応
  • ゲームモード設定
    • キーボード左上のゲームモード切り替えボタンを押した際、Windowsキーなど特定のキーを無効化する機能。ユーザーが好みで設定可能

ざっと一通りの機能を記載しましたが、ご覧の通り、非常に多機能なソフトウェアとなっています。

まずライティングは綺麗なプリセットが9種類用意されており、さらに各キーごとの個別設定にも対応。ここまではよくある機能ですが、より動的なライティングのアニメーションプリセットも用意されているほか、トランジションパターンやフレームなどを細かく指定し、自分好みのアニメーションが作成できる機能も搭載されています。

キー割り当て機能に関しても、各種キーマッピングのほか、3種類のレイヤーが使用可能。ベースに加えてFNキーレイヤー(FNキーを長押ししている時のみ動作するレイヤー)、Gシフト(特定の指定したキーを押している時のみ動作するレイヤー)など非常に細かなカスタマイズができる機能が備わっています。

各キーの動作に関してもAlt、Ctrl、Shiftキーとの組み合わせや発動タイミングの指定(キーを押す、保持、リリースなど)を細かく指定でき、さらにシステムアクションの調整も可能。音量調整や入出力デバイスの切り替えなどの割り当てなども用意されているため、前述したメディア操作キーが搭載されていないデメリットも使い方によってはまかなえる仕様となっています。

アクチュエーションポイントは0.1mmから2.5mmまで0.1mm単位で設定可能で、ラピッドトリガーは、0.1mmから1.5mmまで0.1mm単位で設定可能です。また、キーの優先順位を指定するいわゆるSOCD機能にも対応しており、ゲーム用途としての機能も備わっています。

また、キーボード左上に備わっているゲームモード切り替えボタンを押すと、Windowsキーなど特定のキーを無効化する機能も備わっています。ゲームを開始する前に押すだけで有効になるため、ゲーマーにとっては非常に嬉しい機能ではないでしょうか。

Logicool G515 RAPID TKL|総評

G515 RAPID TKLは、Logicoolから登場した初のロープロ×磁気アナログスイッチ採用ゲーミングキーボード。既存のロープロ機「G515」をベースにしつつ、同社としては初めてロープロファイル×磁気式×ラピッドトリガーを実現したモデルとなります。

トッププレートにはステンレススチールを採用し、ゲーミングデバイスらしさを感じさせないミニマルな外観に仕上がっています。内部は多層構造で、薄型筐体ながらたわみにくい堅牢な作りとなっています。底面は樹脂製ですが安っぽさはなく、質感・ビルドクオリティともに非常に高水準だと感じます。

キーキャップはPBTダブルショットで、耐久性と手触りの良さを両立。スイッチは滑らかな押し心地で、キーのぐらつきも少なめです。アクチュエーションは0.1〜2.5mm、ラピッドトリガーは0.1〜1.5mmの範囲を0.1mm刻みで調整でき、キーごとの最適化が可能です。

ソフトウェア面も充実しており、ライティングの個別設定やキーマッピング、3種類のレイヤー(ベース / FN / Gシフト)、SOCD、ゲームモードなど、非常に多彩なカスタマイズに対応しています。

価格は本稿執筆時点でAmazonにて23,500円。大手メーカーの第一弾ロープロ磁気式+RT対応機としてはかなり手に取りやすい設定だと思います。正直もう少し高くなると予想していたため、Logicoolの今回の本気度が伺えます。強いて挙げるなら、国内は現状JIS配列のみの展開で、英語配列(US配列)も同時展開してほしかったところです。いずれ無線接続にも対応すれば、ますます人気が出ることでしょう。

カラーはブラック / ホワイトの2色で10月9日発売。コストパフォーマンスと機能性のバランスに優れた、現行ロープロラピッドトリガーキーボードのスタンダード候補といえる完成度です。気になる方はぜひ店頭で試してみてはいかがでしょうか。

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