本稿では、Arbiter Studioより発売されているキーボード「GODZILLA COLLECTION – KITSUNE Polar 75 PRO」をレビューします。
製品スペック
製品名 | GODZILLA COLLECTION – KITSUNE Polar 65 | 75 PRO |
カラー | Godzilla Wave / Godzilla vs Ghidorah / Kaiju City / Mecha Godzilla |
キーレイアウト | 英語配列 75%(81キー) |
キーキャップ | 昇華印刷 PBT AOPプロファイル |
スイッチ | Fuji Pro Switch ・Type: Linear ・Initial Force: 36gf ・End Force: 60gf ・Actuation Range: 0.1-3.8mm ・Total Travel: 4.0mm |
ケース | CNCアルミニウム |
接続方式 | 有線 Type-C |
ポーリングレート | 1000Hz |
サイズ | 315 x 133.15 x 40.85mm |
重量 | 1.24kg |
販売ページ(Arbiter Studio):https://arbiterstudio.com/collections/limited-collections
開封|同梱品
同梱品
- キーボード本体
- USB Type-Cケーブル
- キーキャップ&スイッチプラー
- マニュアル
概要|デザイン
今回の「GODZILLA COLLECTION」は、ゴジラ70周年を記念し、東宝とArbiter Studioのコラボレーションによって誕生した特別モデルです。キーボード、ガラスマウスパッド、布製マウスパッド、アーティザンキーキャップなど、計14種類の製品がラインナップされています。
本稿では、ラピッドトリガー搭載のゲーミングキーボード「KITSUNE Polar 75 PRO」のGodzilla Waveモデルをレビューします。
KITSUNE Polar 75 PROは、前作の「Polar 65」の設計を踏襲しつつ、打鍵感を改善した第2世代のFuji Proスイッチを搭載するほか、SOCD機能を搭載しています。今回のGODZILLA COLLECTIONでも65%と75%サイズの2サイズが展開されています。また、通常版のKITSUNE Polar 75 PROと今回のゴジラコラボモデルでは外観以外に特に変更点はない模様です。
ケースは通常版同様、CNCアルミフレームが採用されており、本体重量は約1.2kgと重厚感があります。落ち着いたマットな質感で肌触りも良好です。
75%モデルでは右上にノブが搭載されており、音量の調整やミュート切り替えに使用できます。ノブの回転時には心地よいクリック感があり、操作性にも優れています。
キーキャップには昇華印刷のPBT素材が用いられ、独自のAOPプロファイルを採用。指に馴染む形状で、厚みも約1.5mmと十分です。デザイン面では、ゴジラのイラストや「怪獣総進撃」といった刻印が施されており、ファン心をくすぐる仕上がりとなっています。
各キーキャップには独自のゴジライラストが随所にあしらわれており、通常モデルと異なり日本語のサブレジェンドが加えられている点も特徴です。Godzilla Waveモデルでは、白を基調としつつ青が差し色として使われた爽やかなデザインが採用されています。Controlキーには「GODZILLA」の文字が刻まれ、スペースバーには版画風のゴジライラストが描かれています。また、Enterキーには「怪獣総進撃」という力強く大胆な刻印が施され、ゴジラの世界観が巧みに表現されています。
ケースの角は全体的に滑らかな丸みを帯びており、触り心地が非常に良好です。特に手前側は大きく削られており、親指を置いて作業する際の快適性が考慮されたデザインとなっています。
USB Type-Cの接続ポートは背面左側に設置されています。
底面にはブランドロゴが刻印されたアルミプレートが配置されており、シンプルながら上品なデザインが特徴です。ロゴの主張は控えめで、全体の美観を損なうことなく調和しています。また、前モデル同様、横幅いっぱいに配置されたラバー製のゴム足が上下に備わっており、高いグリップ力を発揮しています。
本製品にはチルトスタンドが搭載されておらず、約5度の緩やかな傾斜が設けられています。ケース自体にある程度の高さがあるため、より快適に使用するためにはリストレストを併用することをおすすめします。
打鍵感
Polar PROシリーズに搭載されているスイッチは、前モデルのFuji Proスイッチを改良した第2世代モデルです。軸ブレの改善により、入力時の安定性が大幅に向上しています。押下圧やアクチュエーションポイントの範囲、ストロークなどの基本スペックは第1世代と同様ですが、ステムの形状が十字型からボックス型に変更されています。この変更により、軸ブレが明らかに軽減され、さらに安定感のある操作が可能になりました。なお、通常版と今回のゴジラモデルでは、スイッチに関する仕様上の違いはありません。
打鍵感は非常に滑らかで、引っかかりを感じさせない仕上がりです。スイッチには十分なルブが施されており、擦過音が抑えられているため、全体的な打鍵の質感はラピッドトリガーキーボードの中でも非常に高水準と言えます。また、アルミケースの採用に加え、PCBを挟む形で2種類のシリコンが内部に配置されていることで、打鍵時の反響音も効果的に抑えられています。
プレートはアルミ製で、硬めの底打ち感が特徴です。ガスケットマウントは搭載されていないため、入力時の沈み込みはありませんが、改良された高品質なキースイッチやケースと反響音を抑えるための内部構造が相まって、全体として快適で満足度の高い打鍵感を実現しています。一方、打鍵音は比較的大きめであるため、静音性を求める用途にはやや不向きかもしれません。
機能性|ソフトウェア
Polar PROシリーズは、Webアプリケーションで各種設定を行うことができます。キーマップ変更やアクチュエーションポイント(0.1-3.8mm)、ラピッドトリガー(0.1-2.4mm)、RGBバックライトなどの設定が可能です。
ただし、カスタマイズできる項目は多くはありませんが、必要最低限で十分なものが備わっています。アクチュエーションポイントやラピッドトリガーの動作は数値通りに問題なく動作しており、安定性も申し分ない印象です。
Polar PROシリーズには、スーパータップ機能(SOCD)が搭載されています。この機能は、反対方向のキーが同時に押された際に最後の入力が優先される仕組みで、WootingやRazerのキーボードでも採用されている技術です。通常のキーボードでは、逆方向キーを同時に押すとニュートラル状態(何も押されていない判定)となり、キャラクターが停止します。しかし、SOCD機能が有効な場合、瞬時に方向を切り替えられるため、スムーズな移動操作が可能になります。
ただし、Counter-Strike 2など一部のゲームではSOCD機能の使用が禁止されているため、使用前にプレイするゲームでの規則を確認する必要があります。
GODZILLA COLLECTION – KITSUNE Polar 75 PRO|総評
「GODZILLA COLLECTION – KITSUNE Polar 75 PRO」は、Arbiter Studioから発売されたゴジラ70周年記念モデルのラピッドトリガーキーボードです。通常版の性能をそのままに、ゴジラをテーマにしたデザインが特徴で、全4種類がラインナップされています。75%サイズでは「Godzilla Wave」と「Godzilla vs Ghidorah」、65%サイズでは「Kaiju City」と「Mecha Godzilla」という異なるテーマが展開されています。
随所にゴジラのデザインが施された特別感あふれるモデルでありながら、性能面でも非常に優秀です。0.1-3.8mmのアクチュエーションポイント調整や0.1-2.4mmのラピッドトリガー機能、そしてSOCD機能など、ゲーミングキーボードとしての高い実用性を備えています。また、打鍵感についても好印象で、ガスケットマウントは搭載していないものの、キースイッチの滑らかな押し心地や内部構造により、滑らかな打鍵感を実現しています。
価格は65%モデルが24,500円、75%モデルが26,800円で、現時点ではArbiter Studio公式サイトのみでの販売となっています。性能とデザイン性の両方を兼ね備えた「GODZILLA COLLECTION – KITSUNE Polar 75 PRO」は、ゴジラファンにとって非常に魅力的な選択肢になると思います。
以上、「GODZILLA COLLECTION – KITSUNE Polar 75 PRO」のレビューでした。
販売ページ(Arbiter Studio):https://arbiterstudio.com/collections/limited-collections
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