本稿では、Angry Miao初のワイヤレスゲーミングマウス「AM INFINITY MOUSE」をレビューします。
製品提供:株式会社KIBU
製品スペック


製品名 | AM INFINITY MOUSE |
カラー | ブラック / CAMPFIRE限定色 |
形状 | 左右対称 |
材質 | マグネシウム合金筐体+PC製ボトムシェル |
接続方式 | 有線 USB / 2.4GHz / Bluetooth |
センサー | PixArt PAW3950 |
ポーリングレート | 最大8000Hz(有線&2.4G接続) |
DPI | 50-30000DPI |
LOD | 0.7 / 1 / 2mm |
メインボタン | TTC Optical Micro Switch V2(1億回耐久) |
サイズ | 118×64.4×39.5mm |
バッテリー | 340mAh(2.4GHz&8K:約17時間|1K:43時間) |
充電方式 | ホットスワップ対応マグネット充電 |
重量 | 有線39g(バッテリーなし)|無線49g(実測値48.4g) |
製品リンク / 公式ページ
AM Infinity Mouse(CAMPFIRE):https://camp-fire.jp/projects/837666/view
AM Infinity Mouse 公式ページ:https://www.angrymiao.com/en/am-infinity-mouse/
Angry Miao 日本公式X:https://x.com/angrymiao_japan
開封|同梱品



同梱品
- マウス本体
- AM INFINITY 受信機(2.4GHz & バッテリー充電対応)×1
- ホットスワップ対応バッテリー×2
- USB-C to A アダプター×1
- USB-C to C ケーブル×1
- グリップテープ×1
- マウスソール×1
- ブリーフケース×1
- ストレージバッグ×1
- 製品マニュアル
製品概要
Angry Miaoは、ハイエンドのカスタムキーボードやイヤホンを手がける中国のPC周辺機器メーカーで、2019年の設立以降、革新的な製品を数多く展開してきました。
そんなAngry Miaoからブランド初となるゲーミングマウス「AM Infinity Mouse」が登場。マグネシウム合金製のシェルに大胆な肉抜き加工を施すことで、わずか49gの軽量性を実現。F1の伝説的レーシングカー「Lotus Evanora Concept」や「Lotus Type 79」にインスパイアされた外骨格のようなデザインも大きな特徴となっています。


高性能センサーであるPixArt PAW3950を搭載し、有線接続および2.4GHzワイヤレス接続時には最大8000Hzのポーリングレートに対応しています。さらに、Bluetooth接続にも対応しており、複数のPCやデバイス間で使い分けたい場合にも高い利便性を備えた設計となっています。
また、マグネット式のバッテリーユニットを採用し、ホットスワップに対応している点も本製品の大きな特徴です。マウスの使用中にバッテリーが切れた場合でも、あらかじめドングルで充電しておいた予備バッテリーと即座に交換することができ、使用を中断することなく快適に続けられます。

デザイン|ビルドクオリティ
形状は左右対称で、全長118mmという数値からは小ぶりなマウスに見えますが、実際には高さや横幅はLogicoolのG PROシリーズに近く、全体的なフォルムもよく似ています。そのため、コンパクトすぎる印象はなく、中型クラスのマウスとして幅広いユーザーに扱いやすいサイズ感となっています。

一方で、マウス後部は大胆に肉抜きされた構造となっており、手のひらへの圧迫感を感じにくい設計になっています。実際には、後部の左右の支柱が手のひらに当たるため、軽量でありながらも安定したホールド感が得られます。これほど大きく肉抜きされていながらも、握り心地は非常に自然で手に馴染む印象を受けました。


見た目からは持ち方に制限があるようにも思えますが、実際にはスイートスポットが広く、つかみ持ち・つまみ持ち・かぶせ持ちのいずれにも対応しやすいと感じました。全体として、見た目の独自性と実用性のバランスが非常に高いレベルで両立されている不思議な形状です。

側面は緩やかな逆ハの字を描いており、自然に指がかかりやすく、マウスを持ち上げやすい形状になっています。さらに、左右のセンサー横にはわずかな窪みが設けられており、親指や薬指でのホールドがしやすくなるよう配慮された設計となっています。

表面塗装は金属感のあるマット仕上げで、さらさらとした上質な質感に仕上がっています。適度なグリップ力もあり、手汗などによる滑りも抑えられる印象です。また、必要に応じて付属のグリップテープを使用することで、擬似的に穴を塞ぐこともできます。
ビルドクオリティは非常に高く、大胆に肉抜きされた構造でありながら、シェルを強く押しても軋みやたわみはほとんど見られません。また、エッジ部分も丁寧に処理されており、角が手に触れても全く不快感はありません。ハイエンドキーボードの設計で培われた、Angry Miaoの高い設計力と製造精度が反映されている印象を受けました。
ボタン|ホイール
メインボタンには、TTC製の光学スイッチ「Optical Micro Switch V2」が採用されています。光学式でありながら、メカニカルスイッチのように明瞭でカチッとしたクリック感があり、押し心地は非常に良好です。
プリトラベルとポストトラベルの長さも適切に調整されており、歯切れの良いフィーリングに仕上がっています。クリック荷重は重すぎず軽すぎず、跳ね返りも素早いため、連打が求められる操作にも対応しやすい印象です。全体として、非常にクリスピーで反応の良い押し心地となっています。

サイドボタンは丸みを帯びた細身の形状で、指あたりがとても優しく感じられます。適度に飛び出しているため押しやすく、クリック感も明瞭でフィーリングは非常に良好です。
ホイールはゴム製で、しっかりとしたノッチ感があります。回転の重さも軽すぎず重すぎず、扱いやすい仕上がりです。クリックの押し心地も自然で、違和感なく使うことができます。

ホットスワップ対応のバッテリー機構
AM Infinity Mouseの最大の特徴は、ホットスワップ対応のバッテリー機構でしょう。本体後部の底面にバッテリーが搭載されており、使用中に充電が切れた場合でも、予備のバッテリーと即座に交換することで使用を中断することなく再開可能です。この構造により、バッテリー消費の激しい8,000Hzポーリングレート設定でも、バッテリー残量を気にせず安定して使用することができます。
また、バッテリーはマグネット固定式となっており、着脱は非常にスムーズです。マグネットも非常に強力で、マウスを強く振ってもがたつきは一切ありません。

専用の2.4GHzドングルにはバッテリー充電用のポートが備わっており、予備バッテリーを常に接続しておくことで満充電の状態を維持することができます。これにより、充電の手間を減らしつつ、必要なときにすぐ交換して使用を継続できる革新的な設計となっています。

バッテリーはブラックとオレンジの2色が付属しており、どちらも容量は340mAh。メーカー公称値では、1Kポーリングレート使用時で約43時間、8K使用時で約17時間の連続使用が可能とされています。
カラーを分けることで、充電済みと未使用バッテリーを見分けやすくしている点や、デザイン上のアクセントとして機能している点も好印象です。細かな使い勝手まで配慮された仕様となっており、ユーザビリティの高さが感じられます。

センサー|マウスソール
センサーの位置はややフロント寄りに配置されています。センサーのすぐ上には、電源スイッチと接続方式の切り替えスイッチが備わっています。

マウスソールにはPTFE素材のソールが四隅に1枚ずつ配置されており、エッジの処理も丁寧で、滑らかな滑走感です。ただし、ソールの形状が独特で、ソールガイドの幅も狭いため、一般的なサイズのドットソールを貼り付けることができません。カスタマイズする場合は、ガイド部分を削るか、別の箇所に貼るなどの工夫が必要になる点には注意が必要です。
幸い、ボトムシェルにはPC樹脂が採用されているため、加工自体はそれほど難しくありません。とはいえ、ソールの形状やソールガイドの設計はやや扱いにくい印象があるため、今後のモデルではぜひ改善を期待したいポイントです。
ソフトウェア
設定ソフトウェアは、WindowsおよびMac向けのダウンロード版に加え、Webドライバー版も用意されています。対応言語は英語と中国語に加え、日本語にも対応しており、日本国内のユーザーにとっても扱いやすい仕様です。

設定項目としては、DPIやポーリングレートの調整、ボタン割り当て、マクロ登録、ライティングエフェクトのカスタマイズなど、基本的な機能は一通り揃っています。一方で、Angle SnapやRipple ControlといったFPS向けの補助機能は現時点では搭載されていません。そのほか、スリープタイマーやデバウンスタイムの細かな設定、LOD(リフトオフディスタンス)は「低・中・高」の3段階から選択可能です。



ソフトウェアのUIは見やすく、直感的に操作することができます。マウスのバッテリーの残り容量とドングルのバッテリー残り容量なども確認することができます。
AM Infinity Mouse|総評
AM Infinity Mouseは革新的な設計と高性能を両立した、非常に完成度の高いゲーミングマウスだと感じました。マグネシウム合金製の堅牢な筐体に大胆な肉抜き構造を組み合わせることで、剛性と軽量性を両立し、無線時49gという超軽量クラスの重量を実現しています。
センサーには最新のPixArt PAW3950を採用しており、有線および2.4GHz接続時には最大8,000Hzのポーリングレートに対応しています。また、ホットスワップ対応のマグネット式バッテリー機構を搭載しており、高ポーリングレートを常用するユーザーにとっても非常に実用的です。バッテリー切れの際にも即座に交換できるため、使用中のストレスを大きく軽減してくれます。

さらに、デザイン性でも優れており、大胆な肉抜き構造を採用しながらも、非常にスタンダードで持ちやすい形状に仕上がっています。見た目のインパクトとは裏腹に、握り心地は安定しており、さまざまな持ち方に対応できる点も魅力です。
ビルドクオリティも素晴らしく、エッジ部分は丁寧に処理されており、肌当たりも良好です。斬新なデザインと金属フレーム、そしてマットなブラック仕上げによって、見た目・手触りともに高級感を感じさせる仕上がりとなっています。
一方で、マウスソールの設計がやや独特で、汎用ソールとの互換性が低い点は気になるポイントです。今後、専用ソールの単体販売などが行われれば、さらに多くのユーザーが安心して使える製品になると思います。
AM Infinity Mouseは現在、日本のクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」にてプロジェクトを実施中です。すでに500万円近い支援が集まっており、高い注目を集めています。一般販売予定価格は28,900円ですが、先着500台限定の早割価格として22,900円で提供されています。なお、ホワイトとピンクを基調とした限定カラーモデルは残念ながら、すでに50台分が完売しています。

クラウドファンディングの実施期間は2025年6月15日までとなっており、製品のお届けは同年7月を予定しているとのこと。気になっている方は、ぜひお早めにチェックしてみてください。
製品リンク / 公式ページ
AM Infinity Mouse(CAMPFIRE):https://camp-fire.jp/projects/837666/view
AM Infinity Mouse 公式ページ:https://www.angrymiao.com/en/am-infinity-mouse/
Angry Miao 日本公式X:https://x.com/angrymiao_japan