本稿では、FANTECHより発売されている軽量ゲーミングマウス「Aria XD7」のレビューをお届けします。
製品スペック
製品名 | Fantech Aria XD7 |
形状 | 左右非対称 右利き用 |
接続方式 | 有線 / 2.4GHz無線 / Bluetooth |
サイズ | 約 114x65x39mm(LxWxH) |
重量 | 約59g |
ボタン数 | 7個(天面x2、サイドx2、マウスホイールx1、裏面DPIボタンx1、裏面BTペアリングボタンx1) |
センサー | PixArt PAW3395 |
DPI | 50 – 26,000DPI |
リフトオフディスタンス | 1.0mm(デフォルト)/ 2.0mm |
ポーリングレート | 125/250/500/1000Hz |
スイッチ | メインボタン:Kailh GM 8.0スイッチ サイドボタン:HUANO Black Shell White Dot ホイール:HUANO Black Shell Blue Dot |
デバウンスタイム | 0-30ms |
ケーブル | 約1.8m ブラック パラコードケーブル |
バッテリー | 300mAh 駆動時間:約40時間(1000Hzで連続使用した場合) 充電時間:約2時間 |
保証期間 | 1年間 |
開封 / 同梱品
Aria XD7はご覧の通り、付属品が非常に充実しています。交換用ソリッドシェルをはじめ、予備マウスソール、グリップテープ、ステッカーなどが付属しています。
- マウス本体
- 2.4GHz 通信レシーバー
- レシーバー延長アダプタ
- 交換用マウスソール
- 交換用ソリッドシェル
- グリップテープ
- Type-C ケーブル
- マニュアル
- ステッカー
製品外観
※画像をタップで拡大
外観 / ビルドクオリティ
Aria XD7は、Razerの卵型マウス「Razer Orochi V2」に似た形状の軽量ゲーミングマウス。Orochi V2を少し大きくしたようなフォルムで、さらなる軽量化を図ったマウスです。Orochi V2は電池駆動・約70g(電池装着時)である一方、XD7はバッテリー内蔵・約60gの軽量さが大きな特徴となっています。
Aria XD7は本体中央から後部にかけて横幅が細くなる卵型の形状で、本体後部は一般的なマウスよりも高さが残されており、全長が短くコンパクトな形状になっています。
また、側面の形状については左サイドが親指を収める窪みが設けられているのに対し、右サイドは外側に緩やかなカーブを描いた左右非対称型になっています。
全長が短いのでかぶせ持ちには不向きですが、ホールド感が良好でつかみ持ち・つまみ持ちに適したマウスです。
さらにAria XD7では、本体後部のシェルが交換可能。穴あきシェル / 穴のないソリッドシェルの2種類が付属しており、ユーザーの好みに応じて交換が可能です。シェルはマグネット式になっており、手軽に交換することができます。重量の実測値は穴なしが62.6g、穴あきが61.4gと穴なしの方が微差ではありますが約1gほど軽量になっています。
ビルドクオリティについては、全体的にたわみや軋みはなく、非常に堅牢な印象を受けます。ボタンやホイールの遊びも少なく、上手く設計されているように思います。
全体的にマットな質感でサラサラとしており、グリップ力は可もなく不可もなくといった所。ただ、グリップテープが付属してくるので気になる場合はこちらを貼り付けて使用すれば問題はありません。
また、ゲーミングデバイスにありがちな余計な装飾がなく、マットな質感・流線形のシェル・本体2箇所に印字されている「Aria」のロゴなど、全体的にミニマルでスタイリッシュな印象を受けます。オフィスワークでも違和感なく使用できそうです。
メインボタン / サイドボタン / ホイール
メインボタン
メインボタンはKailh製のスイッチ「GM8.0」が採用されており、比較的軽めで歯切れの良いパキッとしたクリック感です。クリック音に関してはやや大きめといった印象を受けます。プリトラベルはほとんどないい一方で、ポストトラベルはやや長めに設計されています。
ボタンの形状はセパレート状になっており、クリック感はほぼ均一であるものの、ホイール手前だとやや硬めのクリック感になります。一般的なマウスの持ち方であれば問題ありませんが、かなり浅めに持つ方は注意が必要です。
サイドボタン
サイドボタンは細めの形状ですが凹凸が大きく、非常に押しやすい印象です。クリック感も良好で、メインボタン同様にパキッとしたフィーリングを得られます。
ホイール
ホイールは適度なノッチ感があり、スクロール音は小さすぎず大きすぎずといった印象。クリック感も程よい硬さで、ホイール周りの完成度は高いように感じます。
クリック音のテスト動画
マウスソール / センサー / 接続方法
Aria XD7のマウスソールは上下2箇所の100%PTFE製で、エッジが丸く処理されているためマウスパッドへの引っ掛かりなどは感じられません。滑りは標準的で扱いやすいソールとなっています。交換用のソールが1セット付属しているのも嬉しいポイントです。
センサーにはPixartのフラグシップセンサー「PAW3395」が搭載されており、最大DPI26,000、ポーリングレートは最大1000Hzまで対応しています。
EsportsTiger製の専用マウスソールも別途販売されています。こちらは標準ソールに比べると初動・滑走速度ともに一段と速くなる印象で、より軽快な操作感を求める方に最適です。その分止めに関してはやや弱く、止めやすさに関しては標準ソールの方が優れていると感じました。
また、Aria XD7は接続方法が多様なことも特徴の一つ。有線/2.4GHz無線接続/Bluetoothの3種類に対応しており、メインPCは2.4GHz無線接続、サブ端末ではBluetoothで接続するといった使い分けもできます。接続方法の切り替えはマウス底面のトグルスイッチで簡単に切り替えることが可能です。
電池持ちに関してはスペック上では約40時間とやや短めの数値になっていますが、実際にはそこまで電池持ちが悪いという印象はなく、長時間の連続使用をしない限りは1週間おきの充電で十分といった印象です。
他製品との外観比較
手持ちのホワイトカラーのゲーミングマウスとの比較。画像左から「Pulsar X2 mini Aim Trainer Pack」「Logicool G PRO X SL」「Aria XD7」「Razer Viper V2 Pro」「Razer DeathAdder V3 Pro」と並べています。
並べてみるとAria XD7は比較的小さめで、全長はPulsar X2 miniとほぼ同等のサイズ感になります。
上記はEloShapesで同じ卵型マウスである「Razer Orochi V2」「Logicool G304」、そして「Logicool G PRO X SL」と形状を比較した図になります。Orochi V2よりは大きく、G304よりはわずかに小さくなっており、マウスの大きさとしては中間的な立ち位置になっています。
専用ソフトウェア
Aria XD7 専用ソフトウェア:https://fantechworld.com/download-and-support-mice/
Aria XD7の専用ソフトウェアでは、各ボタンのキーバインド、デバウンスタイム、DPI、ポーリングレート、LOD、マクロ設定、電池残量の確認(大まかな電池残量はホイール下のLEDで確認可能)などを行えます。
視覚的にも分かりやすく、初見でも扱いやすいソフトウェアとなっています。
総評:主要な卵型マウスの中では最軽量、欠点の少ない良品マウス
以上、「Aria XD7」のレビューでした。
Aria XD7は「Razer Orochi V2」の形状をベースに軽量化・ミニマルかつシンプルなデザインを目指した卵型の軽量ゲーミングマウス。約60gの軽量さに加え、本体トップの後部シェルが交換できるのも特徴的で、ユーザーの好みで使い分けることが可能です。また接続方法には遅延の少ない2.4GHz無線接続のほか、有線接続・Bluetoothの3種類に対応しており、多様な接続方法が用意されているのも魅力の一つです。
全長が短いためかぶせ持ちには向きませんが、指先でのAIMの微調整がしやすいつかみ持ち・つまみ持ちに適したマウスとなっています。
Aria XD7の総評としては、欠点らしい欠点もなく、誰にでも扱いやすい優れたマウスであると感じます。卵型マウスというカテゴリーに限定すると現時点では最有力候補として選択肢に入ってくるのではないかと思います。
FANTECH Aria XD7 要点まとめ
- 約60gと卵型ゲーミングマウスの中では軽量
- ミニマルかつシンプルなデザイン
- 全長が短く、つかみ持ち・つまみ持ちに適している
- 手が小さな方・女性にもおすすめ
- パキッとした軽快なクリック感
- ホールド感の良好な左サイド
- 取り外しが可能なトップシェル
- 多様な接続方式
- 充実した付属品
- 扱いやすいソフトウェア
- クリック音はやや大きめ
FANTECH Aria XD7 製品ページ(国内正規代理店アーキサイト)
https://archisite.co.jp/products/fantech/aria-xd7/
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