MENU

Razer BlackWidow V4 Low-profile HyperSpeed レビュー:最薄18.5mm、最大980時間駆動のメカニカルロープロキーボード

本稿では、Razerのワイヤレスロープロファイルキーボード「BlackWidow V4 Low-profile HyperSpeed」をレビューします。

製品提供:Razer Japan

目次

製品スペック

画像;Razer
キーレイアウト75%レイアウト US配列
スイッチRazer 薄型グリーン(クリッキー)
・キーストローク:2.8mm
・アクチュエーションポイント:1.2mm
・リセットポイント:1.3mm
・押下圧:45g


Razer 薄型オレンジ(タクタイル)
・キーストローク:2.8mm
・アクチュエーションポイント:1.6mm
・リセットポイント:1.7mm
・押下圧:45g


Razer 薄型イエロー(リニア
・キーストローク:2.8mm
・アクチュエーションポイント:1.2mm
・リセットポイント:1.2mm
・押下圧:40g
キーキャップダブルショット PBTキーキャップ
ケースアルミ合金製トップケース
ABSプラスチック製ボトムケース
構造トップマウント ステンレススチール プレート
PCB & ケースに音を抑えるフォーム採用
潤滑スタビライザー
機能Nキーロールオーバー&アンチゴースト機能
キープログラム可能
最大 5 つのオンボードプロファイル
スナップタップなど
ホットスワップ非対応
接続方式有線 USB-C / Bluetooth / 2.4GHz
ポーリングレート1000Hz
バッテリー最大980時間
サイズ357×160.5×24.5mm
重量約870g

開封|同梱品

同梱品

  • 日本語対応多言語マニュアル
  • Razer ロゴステッカー
  • USB A to C ケーブル
  • USBドングル用アダプター
  • USB A HyperSpeed Wireless Dongle

製品概要 / デザイン

BlackWidow V4 Low-profile HyperSpeedは、Razerのロープロファイルキーボードの最新モデルとして今年9月に発売されました。系譜を振り返ると、2012年に薄型メンブレンを搭載した初代DeathStalkerが登場し、約10年後の2022年にはDeathStalker V2でオプティカルスイッチへと進化しました。

そして2025年9月、BlackWidowシリーズから超スリム設計のBlackWidow V4 Low-profile HyperSpeedが登場。最薄部18.5mmという薄さに加え、反響音を抑えるフォームを内蔵。接続は2.4GHz / Bluetooth / USB-Cに対応し、パワーセーブ利用時で最大980時間のバッテリー駆動など、携帯性と実用性を両立したロープロファイルキーボードに仕上がっています。

トップケースはアルミニウム製で、ボトムはABSプラスチック製です。剛性は十分で、金属特有のわずかな艶を残した仕上げが無骨で重厚な雰囲気を演出しています。配列はテンキーレスとフルサイズの2種類を展開し、本レビュー機はテンキーレスモデルです。重量は約870gで、薄型としては扱いやすいバランスに収まっています。

キーボード右上には音量ダイヤルに加え、メディアボタンやバッテリー残量表示ボタン、そしてあまり馴染みのない「AIプロンプトマスターボタン」なるものが搭載されています。近年のAIトレンドを踏まえ、ChatGPTなどの生成AIをワンタッチで呼び出せる機能となっています。

AIプロンプトマスターボタンは、押すとポップアップが立ち上がり、言い換え / 要約 / メール作成といった処理を、文量やトーンまで指定して実行できます。現時点での対応AIサービスはChatGPTまたはMicrosoft Copilotの2種類となっています。また、オリジナルのプロンプト作成や画像生成にも対応しており、実行すると最終的にはChatGPTまたはCopilotの画面側で結果が表示されるフローとなっています。

ゲーム中や作業中にちょっと確認したいという場面では便利に感じます。一方で、ポップアップの表示領域が小さく操作性に改善の余地はあります。とはいえ、キーボードにAI連携をハードウェアで組み込んだ点は非常にユニークであり、今後の可能性に期待したい機能です。なお、使用しない場合には設定で他の機能に割り当てることができます。

キーキャップはPBTダブルショットで、耐久性・耐油性に優れた定番素材を採用。細めのフォントはバックライト透過に対応しており、視認性も良好です。形状は一般的なCherryプロファイルより横幅がやや狭く、中央が深めにカップして左右がせり上がる独特の造形です。

ロープロは指先を滑らせて入力する人も多く、ホームポジションの手掛かりとしては有効に働きますが、滑らせた際にエッジが指に触れやすいのは好みが分かれるところ。個人的には、よりフラットな造形のDeathStalker V2のキー形状のほうが好みです。

背面左側には接続方式の切り替えスイッチとUSB-Cの入力ポート、LEDインジケーターが備わっています。

底面はABS製ながらチープさは控えめ。滑り止めゴムは下部3点・上部2点で、実使用での安定感は十分です。チルトスタンドは2段階で傾斜を調整可能。さらに、底面にはUSBレシーバー収納ポケットも用意され、持ち運びや収納時の取り回しに配慮されています。

打鍵感

BlackWidow V4 Low-profile HyperSpeedには3種類の薄型スイッチ(クリッキーのグリーン、タクタイルのオレンジ、リニアのイエロー)が用意されています。本稿ではイエローモデルをレビューしています。

Razerの薄型イエロースイッチは、押下圧は40gと比較的軽めな押し心地です。リニアらしく滑らかな押し心地で、軸ブレは小さめです。一方で、潤滑が足りていないのか、入力時のしっとり感はなくやや擦過音が気になります。構造はトップマウントでガスケット非搭載のため、底打ちは硬めのフィーリングです。

薄型ゆえにケースへの反響音がやや目立ち、カタカタとした軽快さはあるものの、近年のロープロでも打鍵感にこだわった機種が増えていることを踏まえると、打鍵感としてはあまり良いとは言えません。打鍵感を最優先するユーザーにはあまりおすすめできないでしょう。

筆者の好みでいえば、打鍵感のトータルバランスはDeathStalker V2の方が好みです。ただし、V2は軸ブレの大きさが気になる場面があり、その点については本製品で改善されたと感じます。もし将来的にV3が登場し、軸ブレの最適化や静音・潤滑の強化に加えてラピッドトリガーまで搭載されれば、ロープロファイル市場で非常に有力な選択肢になり得ると思います。

ソフトウェア

BlackWidow V4 Low-profile HyperSpeedの各種設定は、専用ソフトウェア「Razer Synapse 4」で行うことができます。主な設定項目は以下の通りです。

  • ライティング設定
    • 輝度調整、ライティングパターン設定(12種類)
  • 電源
    • 減光機能(時間経過でライティングを減光)
    • ワイヤレスパワーセーブ時間設定
  • カスタマイズ
    • キーマッピング変更
    • ゲーミングモード(特定キーの無効化)
    • スナップタップ機能(同時に2つのキーを入力した際、後に入力したキーを優先する機能、SOCD)
    • 有線時のポーリングレート設定(最大1000Hz)
    • キースイッチの最適化(偶発的な二重入力軽減機能、タイピング / ゲーミング)

Razer BlackWidow V4 Low-profile HyperSpeed|総評

BlackWidow V4 Low-profile HyperSpeedは、メカニカルスイッチ採用のロープロファイルキーボードです。最薄部18.5mmのスリムな筐体に、音量ダイヤルやメディアボタン、AIプロンプトボタンといったユニークな操作系を搭載。2.4GHz / Bluetooth / USB-C有線の3方式に対応し、最大980時間(パワーセーブ時)のバッテリー駆動を実現しています。

一方で、打鍵感は軽快で硬質寄り。ロープロらしい短いキーストロークで直感的な入力ができるものの、近年増えている打鍵感に優れたロープロキーボードと比べると、やや旧来のフィーリングに近い印象を受けました。機能面の充実に対して、打鍵体験との整合がもう一歩と感じる場面があります。

ターゲットについてもやや見えにくく、打鍵感重視の方には引き続きDeathStalker V2の方がおすすめできると感じます。V2は薄型オプティカル採用で、今なおバランスの良い打鍵感が得られると感じています(バッテリー持ちは本機に軍配ですが)。

価格は本稿執筆時点でAmazonにて約28,880円。見た目・接続の柔軟性・メディア操作といった使い勝手を重視する方であれば検討の余地はあると思いますが、価格はやや強気という印象は拭えません。少し辛辣なレビューになってしまいましたが、筆者自身、昔からRazer製品を愛用してきていますし、今後の期待を込めてぜひ改良を続けて欲しいと期待しています。

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
0 コメント
Oldest
Newest
Inline Feedbacks
View all comments
目次