本稿では、Utypingのラピッドトリガー対応ゲーミングキーボード「UT65」をレビューします。
製品スペック
製品名 | Utyping UT65 HE | |
モデル | 月詠(つくよみ)/ 星鯨(ほしくじら) | |
キーレイアウト | 65%(68キー)配列 US配列 | |
スイッチ | Huano Omega Magnetic Switch 初期押下圧:35±10gf 底部押下圧:45±10gf 作動範囲:0.01~3.40mm | |
キーキャップ | PBT樹脂製 | |
ケース | アルミニウムCNCケース | |
構造 | アルミニウム合金プレート | |
アームレスト素材 | アルミニウム合金CNC+AGスキン感マットガラス(別売り) | |
ホットスワップ | 対応 | |
ポーリングレート | 8000Hz | |
接続方式 | 有線 USB-C | |
サイズ | 31.8×11.6cm | |
重量 | 1,560g |
開封|同梱品

同梱品
- Utyping UT65 HE
- USB Type-Cケ一プル
- キーキャップ/スイッチ交換用キ一トッブ
- 説明書

製品概要 / デザイン
Utypingは2021年に設立されたキーボードブランドで、これまでに「Neko Touch Keycaps」「Asano Touch Keycaps」といったコラボキーキャップを手掛け、今夏には日本の人気イラストレーター・まころん氏(@makoron117117)とコラボした大判マウスパッド「Utyping × まころん 空に落ちる」も発売しています。

今回のUT65 磁気スイッチキーボードは、Utypingの第5弾となるプロジェクト。これまでのノウハウを踏まえ、デザイン・性能・ユーザー体験のすべてにこだわり抜いた自信作となっているとしています。
配列は65%(US のみ)。CNCフルアルミ筐体による高い剛性と、コンパクトで取り回しやすいサイズ感を両立し、狭いスペースでも扱いやすいのが特徴です。また、リストレストはクイックリリース式となっており、工具不要で着脱が可能。装着時は段差が少なく一体感のある手首の乗せ心地を実現しています。
外観は機能美と造形美を意識した仕上がりで、配色はミニマルなホワイト基調の「月詠(つくよみ)」と、まころん氏デザインの「星鯨(ほしくじら)」の2種。前者は清潔感のある印象で、後者は鮮やかなブルーグラデーションと幻想的なモチーフで存在感を放ち、デスクの主役になれる鮮やかなビジュアルです。
今回レビューするのは、限定デザインの「星鯨」です。前述のとおり、同ブランドは過去にもまころん氏デザインのマウスパッドを展開しており、本作も同氏がデザインを手掛けた製品です。鮮やかなブルーを基調に、空を舞う鯨を描いた幻想的なビジュアルが目を引きます。

筐体はアルミニウムのCNC削り出しで、しっかりとした重量感と高い剛性感があります。タイピング時の安定性も良好です。

「星鯨」モデルはケースからキーキャップまで青系で統一され、ブルー好きにはたまらない配色になっているのではないでしょうか。ケースのエッジも丁寧に加工されており、手に触れたときの肌触りが優しく、品質の高さが感じられます。

キーキャップはPBT樹脂製で、耐久性・耐油性に優れています。印刷品質も高く、にじみは見られず、コントラストの効いたシャープな仕上がりです。


また、各キーには紫から水色へと滑らかに移るグラデーションや幻想的なイラストが印刷されており、見た目の統一感と遊び心を両立した美しいデザインとなっています。

底面には星空が描かれたすりガラス調のプレートが備わっています。四隅には滑り止めゴムが配置されており、グリップ力も十分です。


また、別売りのリストレスト(マットガラス天面+アルミCNCベース)も用意されています。さらりとしたマットな手触りで肌離れがよく、十分な剛性と重量があるため、手首を安定して支えてくれます。長時間の入力でも疲労がたまりにくいのが好印象です。


UT65は前面プレートをワンタッチで取り外せる構造を採用しており、リストレストはマグネット固定で工具不要の着脱に対応。キーボードと段差が出にくく、一体感のあるレイアウトを簡単に作れます。

着脱時は少し力が要りますが、工具不要で着脱可能という点が非常に好印象です。


本体は約6度と適度な傾斜がついた設計で、自然な手首角度のままホームポジションにアクセス可能。リストレスト装着時もつなぎ目の段差が最小限に抑えられており、外観・操作感ともに違和感の少ない仕上がりです。

打鍵感
UT65にはHuanoのOmega磁気スイッチが採用されています。リニアな押し心地で初期押下圧は35±10gfと比較的軽く、軽快な入力ができるタイプです。ボックスステム構造のため軸ブレは少なく、擦過音も抑えめで、クリアで素直なフィーリング。しっとり系ではないものの、パチパチと歯切れのよい“clacky”寄りの打鍵感を楽しめます。

ガスケットマウントは非搭載のため、底打ちはやや硬めです。内部には吸音フォームが入っており反響はある程度コントロールされていますが、ケースにわずかな響きは残ります。
スタビライザーは全体的に適切に調整されており、不快な金属音はあまり聞こえません。ただし、スペースバーだけは底打ち時と戻り際にケースへ響くやや大きめの音が出る点が気になります。追加のルブやスタビライザーの交換で改善できる可能性はありますが、この点はやや残念です。

磁気スイッチ採用機の中でも低音が厚いthocky/クリーミー系というより、明瞭で軽快なタッチが好きな方向けの打鍵感だと思います。全体として完成度は悪くなく、硬質でキレのある打鍵感を求めるユーザーには好相性だと感じました。
ソフトウェア
UT65の各種設定は、ブラウザからアクセス可能な専用Webドライバーで行います。主な設定項目は以下の通りです。
UT65の各種設定は、ブラウザからアクセスできる専用Webドライバーで行います。
- キーマッピング(メインレイヤー+FNレイヤー×3)
- アクチュエーションポイント / ラピッドトリガー設定
- 上級キー設定
- DKS(ダイナミックキーストローク)
- MT(デュアルアクション)
- TGL(トグルスイッチ)
- RS(レイジングストライク)
- SOCD(入力優先順位)
- CB(コンボキー)
- マクロ設定
- RGB設定(20種類以上)
- キーテスト機能

インストール不要で、キーマップ変更、ライティングカスタマイズ、スイッチ性能(RT、DKSなど)、ファームウェア更新、OSに依存せずさまざまな設定を行うことが可能です。UIも比較的シンプルで分かりやすく、操作性も良好です。

アクチュエーションポイントは0.01-3.40mmの範囲で細かく設定可能。ラピッドトリガー(リリース感度)は最小0.01mmから2.5mmまで調整でき、好みに応じたカスタマイズが可能です。


Utyping UT65|総評
Utyping UT65は、65%のUS配列、CNCフルアルミ筐体、Huano Omega磁気スイッチを採用したゲーミングキーボードです。約1.5kgの重量級キーボードで、筐体の剛性感はもちろん、細部の仕上げも良好です。
カラーは月詠(つくよみ)/ 星鯨(ほしくじら)の2種類展開。その中でも注目すべきは、まころん氏とコラボした「星鯨」モデルです。コントラスト強めの鮮やかで幻想的なブルー基調のイラストが、キーボードとしては唯一無二のデザインに仕上がっていると感じます。

また、マグネット式リストレストも別売で用意されており、本体側にワンタッチで着脱できる構造が採用されています。キーボード本体と同じテーマで使用できるリストレストが用意されている点は嬉しいポイントです。

各種設定はブラウザベースのWebドライバーから行えます。アクチュエーションポイントは0.01-3.40mm、ラピッドトリガー(リリース感度)は0.005-2.5mmまで調整可能です。
打鍵については、磁気リニア特性で初期押下圧は35±10gf、ボックスステムにより軸ブレは小さめです。内部に吸音材はありますが、ガスケットマウントではないため底打ちはやや硬めで、音の傾向はカタカタ・パチパチ系に寄ります。低音寄りの柔らかな音色を重視する用途とは方向性が異なる点は留意しておくべきでしょう。
Utyping UT65は、10月10日からMakuakeにてクラウドファンディングが開始されています。50台限定の超超早割(13%OFF)が25,980円、リストレスト同梱セットの最安は10%OFFで28,980円から支援が可能です。