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Awekeys Wild Ice レビュー:氷河期をイメージした精密な造形と重厚な打鍵感を楽しめる唯一無二の金属製キーキャップ

本稿では、Awekeysから登場した金属製キーキャップ「Wild Ice」シリーズをレビューします。

製品提供:Awekeys

目次

製品スペック

製品名Awekeys Wild Ice
カラー全5種類
素材白銅&真鍮
配列60% / 80% / 100%
厚み約1.4mm

フルメタル製キーキャップで知られるAwekeysから、氷河期の風景や生き物をテーマにした「Wild Ice」シリーズが登場しました。従来の金属キーキャップにフロスト加工を施し、氷雪に覆われた地形を再現したかのような質感が特徴です。

カラーバリエーションは以下の5種類で、いずれも自然の景観をモチーフとしています。氷や雪、日の出や大地といった要素を取り入れることで、雄大な自然を思わせる力強いデザインに仕上がっています。

  • Frost Blue:氷河
  • Sunrise Gold:燃えるような日の出
  • Blizzard Silver:月明かりに照らされた雪
  • Glacier Copper:荒々しい大地
  • Abyss Black:凍りついた夜

開封|同梱品

今回レビューするのは、100%レイアウトベースキットのFrost Blueです。

内容物には、Frost Blueのキーキャップに加えて、他カラーのキーキャップもそれぞれ1個ずつ同梱されています。さらに、Glacier Copperの大型キーキャップも数個付属しており、バリエーションを試せる点も魅力です。中でもFrost Blueの鮮やかなブルーは実物で見ると一層映え、存在感のある美しさを感じます。

そのほか、キーキャッププラーと、十字ステムの軸受けを調整するための専用ツールも同梱されています。

ツールは本体の両端を持って回転させることで2つに分解でき、先端には軸受けを広げるための機構、底面には狭めるための穴が備えられています。

表面は氷河期の世界観をモチーフにしており、氷がひび割れたような独特の質感に仕上げられています。実際に触れると見た目通りザラつきがありますが、不快さはなく、むしろ宝石の原石や鉱石を撫でているような高級感のある手触りです。

さらに特徴的なのは、キーキャップごとに模様や触感がわずかに異なる点です。それぞれに個性があり、キーを打つ位置によって微妙に違うテクスチャを楽しめるのも本製品ならではの魅力といえるでしょう。

金属製のキーキャップながら、意外にもひんやり感は控えめで、これは表面の凹凸が接触を和らげているためと考えられます。見た目の重厚さに反して、使用時の感覚は扱いやすくバランスの取れた仕上がりです。

素材にはリサイクルされた白銅と真鍮が用いられており、製造過程での廃棄物削減にも貢献しているとのこと。高級感ある質感を実現しながら、環境への配慮も兼ね備えたプロダクトに仕上がっています。

Awekeysの金属製キーキャップは、軸受け部分まで金属製となっています。そのため注意点として、届いた状態では軸受けの締まりがやや緩めになっており、キースイッチにしっかりとはまらない場合があります。対策として、軸受けを調整するための専用ツールが付属しています。

ただし、この付属ツールだけでは細かな調整が難しい場合もあるため、先細りのペンチを別途用意しておくといいでしょう。調整作業自体は多少手間がかかりますが、慣れてしまえば1個あたり10秒ほどで完了します。一度しっかり調整してしまえば、その後は基本的に再調整の必要はありません。

スペースバーなどの大型キーには、スタビライザー用の軸受けもしっかりと備わっています。また、Wild Iceシリーズは見ての通り表面に凹凸が多く施されているため、角度や光の当たり具合によって印象が大きく変化します。そのたびに異なる表情を見せてくれる点も、この製品の大きな魅力だと感じます。

今回レビューしたのはFrost Blueですが、付属品として他カラーのノベルティキーキャップが1個ずつ同梱されていました。さらに、Glacier Copperカラーの動物のシルエットが刻印された大型キーが数個付属しています。

今回はホワイトケースのキーボードに組み合わせてみましたが、清潔感のあるホワイトにFrost Blueの荘厳な色合いが映え、独特の雰囲気を演出してくれます。一般的なキーキャップでは決して表現できない、美しい見た目に仕上がっているように思います。

打鍵感については低音が強調された「コトコト」とした響きが印象的です。金属製ならではの深みのある音色で、心地よい打鍵音を楽しめる点は本製品最大の特徴といえるでしょう。

もともと使用していたキーキャップではやや重めの打鍵感に感じていましたが、Wild Iceに交換してからは程よい重さに落ち着き、心地よい打鍵感になったと感じます。特に、低音が「コトコト」と響く独特の打鍵音は、樹脂製キーキャップではまず再現できず、セラミックキーキャップとも異なる重厚感と存在感のある響きです。

一方で、フルメタル仕様ということもあり、キーキャップ自体の重量はかなり重めです。一般的なPBT製キーキャップがアルファベットキーで約1g前後なのに対し、本製品は約5.5gと5倍以上の重量があります。さらに、スペースバーはPBT製で約9gに対し、本製品では約33.5gと圧倒的な重さでした。そのため、荷重が軽いキースイッチではわずかな力で入力が入ってしまう可能性があり、ある程度荷重のあるスイッチを組み合わせることが推奨されます。

見た目の統一感を重視するか、実用性を優先するかは悩ましいところですが、スペースバーのみ樹脂製キーキャップを使うのも一つの解決策です。筆者も実際にスペースバーのみ元の樹脂製キーキャップを採用しましたが、EnterキーやShiftキーについては、使用しているボトムアウトフォース53gのスイッチで全く問題なくタイピング可能でした。

また、Wild Iceシリーズとあわせて、ハンドメイドによるアルチザンキーキャップ「Lords of Wild Ice Artisan Keycaps」も登場しました。氷河期を越えた世界を舞台に、荒涼とした氷の大地を支配する神話上の君主たちをモチーフとしており、ラインナップは以下の7種類となっています。

  • Wolf – Zander, Shadow Tracker
  • Wildcat – Lysa, Veiled Seer
  • Eagle – Eldric, Wise Shaman
  • Horse – Haden, Valiant Hunter
  • Tiger – Tyson, Exiled Chief
  • Ram – Glen, Snow Herald(レア)
  • Reindeer – Runa, Nomad Pathfinder(シークレット)

これらのアルチザンキーキャップはすべて真鍮製で、一つひとつ手作業で磨き上げられたうえに18K金メッキで仕上げられているとのこと。高級感と重厚感を兼ね備えた特別仕様となっています。

今回のKickstarterクラウドファンディングでは、「Mystery Box」という形式でのセット販売が行われており、1ボックスには6個のキーキャップ(うち5種類は異なる種類)が同梱されています。なお、Mystery Boxでは種類の異なる5種類のキーキャップに加え、2種類の特別なシークレットデザインのうち、いずれかが含まれている模様です。

真鍮製ということもあり、キーキャップ自体にはしっかりとした重量感があります。造形の精度も非常に高く、動物の顔のディテールが細部まで緻密に再現されており、Wild Iceシリーズと非常に相性の良いアルチザンキーキャップとなっています。

実際にキーボードへ装着してみると、もともと存在感のある印象でしたが、Wild Iceシリーズ特有の造形と質感が加わることで、さらに自然の力強さを感じさせる外観となりました。もはやキーボードというよりは、まるでデスク上に小さなオブジェを飾っているかのような雰囲気を演出しています。

Awekeys Wild Ice|総評

「Awekeys Wild Ice」は、氷河期をイメージした独自のテクスチャと、金属製ならではの重厚な打鍵感が魅力のキーキャップシリーズ。高級感あふれる仕上がりに加え、リサイクル素材を用いた環境配慮も特徴的です。

重量はPBTキーキャップの数倍に及ぶためスイッチ選びには注意が必要ですが、装着時の存在感や低音豊かな打鍵音は間違いなく唯一無二です。初回の軸受け調整には多少の手間がかかりますが、ペンチさえあれば短時間で完了し、一度調整してしまえばその後は快適に使用できます。想像以上に普段使いできる実用性と、唯一無二の打鍵感の両立は本製品の大きな魅力といえるでしょう。

現在、Kickstarterにてクラウドファンディングが実施されており、9月24日から10月18日まで支援を受け付けています。60%レイアウトでは最大42%OFFとなる139ドル(約20,744円)から支援可能です。通常価格ではやや高価な部類に入りますが、キャンペーン価格であれば金属製キーキャップとしては試しやすい設定になっています。高級感ある外観と重厚な打鍵体験を求める方に、ぜひおすすめしたい製品です。

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