本稿では、VAXEEの新作ゲーミングマウス「ZYGEN NP-01S V2」をレビューしていきます。
ZYGEN NP-01S V2は、ハーフエルゴ形状という独自のコンセプトを継承しつつ、重量やセンサーなど多岐にわたる改良が施された意欲的なモデル。第1世代である「NP-01S」の後継機という位置付けですが、細部を見ていくと着実なブラッシュアップが行われており、非常に完成された仕上がりとなっています。本稿では、実際に使用した印象を中心に、その特徴を詳しくご紹介します。
サンプル提供:VAXEE
製品スペック
製品名 | ZYGEN NP-01S V2 Wireless |
カラー | ダークブルー / ピンク / ホワイト / ネオングリーン / レッド / グレー(変更の可能性あり) |
形状 | 左右非対称 |
接続方式 | 無線 / 有線 |
サイズ | 118×63×37mm |
重量 | 56-57g |
センサー | PixArt PAW3950 |
DPI | 400 / 800 / 1600 / 3200 |
LOD | 2段階調整(0.5-1.0mm / 1.0-1.5mm) |
ポーリングレート | 500 / 1000 / 2000 / 4000Hz |
今回提供していただいたサンプルは、ZYGEN NP-01S V2 Wirelessの新色「ダークブルー」です。サンプル品のため、梱包や同梱品、マウスソールなどは製品版と一部異なる場合があります。
販売ページ(VAXEE):https://www.vaxee.co/jp/product.php?act=view&id=396
形状とデザイン
独自性の高いハーフエルゴ形状
NP-01シリーズ独自のハーフエルゴ形状は、「左右対称マウスの扱いやすさ」と「エルゴマウス特有の握りやすさ」を併せ持った、いわば“いいとこ取り”のデザインです。トップシェルのメインボタン周辺は左右対称形状ですが、右側面は後部に向かって外側に膨らみ、自然に握り込める形状になっています。
一方で、エルゴマウスほど背が高くないため、全体的に比較的平たい印象を受けます。手の傾きが少ないので、エルゴマウスが苦手な方や、左右対称マウスしか使ったことがない方でも、抵抗なく移行できる点が魅力です。なお、前モデルのNP-01Sとは同一形状・サイズとなっています。
軽量化と新色の登場
前モデルの「NP-01S」は68-69gの重量でしたが、V2では56-57gと約10gの軽量化に成功しています。実際に手に取ると軽さがはっきりと感じられ、FPSなどの素早いマウス操作を要するタイトルでアドバンテージになると感じました。
また、新色としてダークブルーやグレー(変更の可能性あり)などが登場しました。表面仕上げは前モデル同様のマットな塗装で、手汗をかいても十分なグリップ力を確保してくれます。
ZYGEN NP-01S V2 ギャラリー
センサーと性能
新センサー「PixArt PAW3950」を搭載
前モデル「NP-01S」はPixArt PAW3395センサーを搭載していましたが、本製品では最新センサーの「PixArt PAW3950」を採用しています。これにより、読み取り性能の向上と低遅延を実現しており、4K競技モードでは第1世代に比べて5%低い遅延を実現し、反応速度が向上したとのこと。実際に使用してみても遅延は一切感じられず、非常にスムーズな操作が可能でした。
さらに、標準ソールも新素材に変更され、二重構造になるなど改良が施されています。これにより、滑りの高速化や耐久性の向上を実現したとしています。なお、今回のサンプル品には第一世代のソールが貼られているため、製品版とは異なります。詳細は以下のnoppo氏の投稿を参照してください。
センサー位置の変更
本モデルではセンサーの配置が変更され、従来よりも薬指・小指側寄りに移動しています。結果として、センサーはマウス中央付近に収まり、水平方向の操作精度が高まったとのこと。前モデルではホイール位置に合わせてセンサーが配置されていましたが、V2ではマウスの中心に来るよう再配置され、より正確な操作が期待できるものとなっています。
ボタン周り
メインボタン
メインボタンのクリック感は、押し始めの遊び(プリトラベル)がほとんどなく、指が触れた瞬間にすぐ反応してくれる感覚があります。そのため、より直感的に素早いアクションを入力できる点が特徴です。クリックの重さは軽すぎず重すぎず適度なフィードバックがあり、連射が必要なシーンでも違和感なく操作できました。また、押し込んだ後には若干のストロークが残る(ポストトラベル)ため、クリック感はしっかりとした存在感を保っています。
さらに、メインボタンのグラつきも前モデルより低減されており、先端から根本までより均一なクリック感となりました。
サイドボタン
サイドボタンはV2になり、出っ張りが少し大きくなりました。それにより、触感でボタンの前後の位置が把握しやすくなっています。さらに、前後ボタンの間には適度なスペースが設けられるようになり、誤操作が生じにくいように改良されています。細かい部分ですが、着実に進化を感じられるポイントです。
ホイール
ホイールは前モデルと同様に、はっきりとしたノッチ感を持っており、段階的にスクロールできる点が特徴的です。スクロール時の音はやや大きめですが、その分明瞭な操作感になっています。ホイールクリックは程よい硬さで、誤爆しにくい反面、しっかりとクリック感が得られるため安心感があります。
また、ホイール手前には電池残量インジケーターとUSB Type-C端子が備わっています。
その他の改良点
底面の電源スイッチ撤廃と設定ボタンの統合
V2では底面の電源スイッチが廃止され、代わりにボタン式に変更されました。この改良により、底面のスイッチを探す手間が省け、オンオフの操作性が向上しています。さらに、DPI、ポーリングレート、デバウンスタイムといった設定は1つのボタンに統合され、非常にシンプルかつスマートな構造になりました。複数のスイッチが配置されていた前モデルに比べ、設定周りの操作も迷いが減り、よりユーザーフレンドリーになった印象です。
電源は底面の左ボタン長押しでOn/Offの切り替えができます。また、右ボタン長押しでDPI / ポーリングレート / LODの設定項目切り替え、それぞれの項目で右ボタンを押すと設定値を変更できる仕様になっています。現在ウェブドライバーも開発中とのことなので、今後はブラウザ上でも簡単に切り替えられるようになるものと思われます。
ZYGEN NP-01S V2 総評
「VAXEE NP-01S V2」は、従来モデルの完成度を引き継ぎながらも、さらなる軽量化や最新センサーによる低遅延化、ボタン配置の最適化など、着実な進化を遂げたモデルです。NP-01シリーズ特有のハーフエルゴ形状は、エルゴマウスの握りやすさと左右対称マウスの汎用性を兼ね備えているため、多くのユーザーが扱いやすいと感じられるのではないでしょうか。
また、深みのあるダークブルーなど新色の追加によって、より選択肢が広がった点も魅力です。軽快な操作感、高精度かつ低遅延のセンサー、ユーザーフレンドリーなボタン設計など、前モデルと比べて明らかなブラッシュアップが見受けられ、総合的に非常に完成度の高いゲーミングマウスに仕上がっています。
FPSやTPSといった素早いエイム操作が必要なゲームはもちろん、日常的なPC操作でも違和感なく使えるため、幅広いプレイヤーやユーザーにとって検討する価値がある製品であると感じます。ハーフエルゴ形状が合いそうだと感じる方は、ぜひ「VAXEE NP-01S V2」を試してみてはいかがでしょうか。約10gの軽量化と最新技術を取り入れ、より快適で扱いやすいモデルに進化しています。
販売ページ(VAXEE):https://www.vaxee.co/jp/product.php?act=view&id=396
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